からまる2
佐々宝砂

愛しいと書いてかなしいと読む、と
知ったのは十三の年だ、

なんでそんなこと知ったのか覚えているけど
もう忘れておこうとおもう。
むかしばなしだから。

春からこっち一度もカットしていない私の髪。
金がないのでカットしてないだけなんだが。
その髪を無造作にまとめる素っ気ない黒いゴムをはずす、
すこしの痛み、
ゴムにからみつく私の髪。
ひっぱればひっぱるほどにからみつき。

愛しいと書いてアホらしいと読みたい、と
無理なことを考えてみている、

ベッドのうえには今夜も三人、
愛とセックスになんらかの関連があるとするならさ、
やっぱり、
愛しいと書いてアホらしいと読みたい。

からまる、
からまる、
からまる、

誰か鎖を斬ってくれ。
でなけりゃ鎖でつないでくれ。


自由詩 からまる2 Copyright 佐々宝砂 2004-11-29 23:11:41
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