四月
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こよみに合わせた薄着で
知らない人たちに囲まれておとなしくする



大人のふりした靴のヒールに
マフラーをほどいた首元に
過ぎていく風は、まだ肌寒い



わくわくしなさい、がんばりなさい、うらやましいわ、
と放り出されて
作り物みたいな空の色
まぶしくって顔が歪む
ちょっと笑っているみたい



なにをするにも間違えそうな白い部屋
みんながみんな、ひとりぼっち
自分で決めたはずなのに、誰か助けて、なんて考えてる



自信なさそうにひょろひょろ
謙虚な三分咲きの桜
うっかり咲いてしまった、みたいに照れて



まだなんにもしていないのに褒められてくすぐったい



明日は今日より
きっと暖かくなる
明日は今日より
もっとたくさんの花が咲く







自由詩 四月 Copyright ________ 2011-03-28 16:00:00
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