黄落
佐々宝砂

紫煙吐く 色なき風を染めんとし

栗剥くやただひたすらに我のため

触れずとも胸を開きて鳳仙花

桔梗咲く丘登りたり逢へずとも

黄落す逢ひ引きと云ふ罪重ね

木に残す柿の実ひとつ祈るごと

我ら二人別れ行くとも照葉かな

身に沁むや老猫に話しかけてゐる母よ




俳句 黄落 Copyright 佐々宝砂 2004-10-29 20:20:21
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Feminine Fetishism