ほんとうのいのちが流れるクリスマス
かみの子

私のいのちが重い

あまりにも重いから 心臓から墜ちてしまいそうだ
声が 聞こえなくなった
目が 見えなくなった

街は クリスマスに彩られて
みんながプレゼントを買った
どうして いのちの重さを持ちながら
あんな風に 笑えているの

私はもう いのちの重さにつぶされて
とても怖くて
生きてはいられない
私には いのちは持てない
だからもう 
生きてはいられない
それでも あなたたちは
生きろ生きろと急かすから
いのちの十字架を 引きずって
とりあえず 今日もこの丘を登る
丘の上から見えたのは 何のことはない
たいして 美しくはない いつもの街
もうじきクリスマスだという人たちが行きかっていた

遠くで 讃美歌が聞こえて そのうちにまた静かになった

生まれた時 誰かが 喜んだだろう
死ぬ時 誰かが 泣いているだろう
平等に 幸せであり 不幸せであるわたしたちは
いのちを抱えながら 精一杯 無様に歩いている

遠くで 讃美歌が聞こえて また静かになった
ほんとうに少しだけ クリスマスを祝った

いのちよ いのちよ
できることならば どうかわたしを生かしてほしい
とりあえず 今日もこの丘を登る
いつもの街


自由詩 ほんとうのいのちが流れるクリスマス Copyright かみの子 2010-12-23 22:20:11
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