ほんとうの声
かみの子

ほんとうの声をききなさい

生きたり死んだりは ほんとうにむずかしい
だれが
どうして 
生きているか
その問いには 滅多にこたえられない

それでも
どうしても
空が青かったり ひとを愛したり 綺麗なものを見たり聞いたりすると
あたりまえだから
ほら こころが揺れているでしょう

そのとき響く音はもしかしたら ほんとうの声かもしれない

生きてから死ね 生きてから死ね


何もかもが 虚しい
美味しいケーキも 素敵な洋服も お金だっても 愛する人も
ここでなにをしているのだかも
生きていることも
そんなことも あたりまえにあるでしょう
ただでさえ 不確かな存在でしかないから

そのとき目の前を 通り過ぎるのは もしかしたらほんとうの声の持ち主

おはようございます おやすみなさい

それだけで 存在が明るみにでることもある

声よ 声よ
ほんとうの姿を照らしてほしい
ほんとうの声をきかせてほしい
少しだけ 生きられる気がするから








自由詩 ほんとうの声 Copyright かみの子 2010-12-20 16:13:33
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