金魚
藤鈴呼

* 冬近し 光の束は 窓の外

何時もと同じように降り注ぐ 太陽の光も
徐々に 時間を狭めていく季節

以前より 高層階なので
少しばかり 温かさに 近くなったと言えど
銀河規模で考えたら 変わり有りません

* 埋め尽くす 洗濯物で 縁側を

窓から直ぐの部分に 色んな着古し物が
ブラ下がっているからでしょうか

室内まで 明るさが 届かずに
日中でも 灯りに頼る始末

* なめまわす 埃一つも 見逃さぬ!

洗濯機の埃取り袋(って呼ぶん?)内に
少しずつ 毛玉みたいに溜まって行くのか
干す時に コロンと転がり落ちる
毛玉女王みたいなものが あったりすると
一つ 一つ 取って ゴミ箱へ。

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* 白髪ネギ 要らなかったな ラーメンに

昨夜、富山にて二度目の 富山ブラックなる
醤油ベースの濃い色ラーメンを食べに行ったら
最初とイメージが違って 

ただ しょっぱいだけだと思ったら
別の店では とっても美味だったの。

やっぱり 良く知らないで イメージ付けてしまうって
危険だね。そして 失礼なコトだよね。

でもね、人気おすすめNO.1メニューには
白髪ネギが入っていて

ちょっと私、辛いのが当たってしまったのか
今回は要らなかったなぁ〜
なんて思ったのでした

それに… ちょっと 銀歯の間に 引っかかってしまって
最近 繊維質のものが 詰まるのよねぇ

引越し前にお世話になった歯医者サンには
引越しなどの後には 歯がいずくなることあるカモ
とは言われていたんだけどね。

やっぱり どこかしら 気遣い? 気を張って?
いるのかも知れないネ

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* 弱いのは 骨の周りの 神経か

骨粗しょう症なんて言葉を始めて聞いたのは
二十代前半だったかなぁ…

当時 営業をしていたんだけれども
病院の先生に訪問することがあって 

その時に
骨密度を測ってもらって、簡易検査だったけど
その時は平気でしたね

でも今はどうかしら〜 
あの頃 良く飲んでいた牛乳も飲んでないから〜 

でも 当時は
コーヒー牛乳にしていたし 喫煙もしていたし

牛乳の成分(カルシウムがそうかは不明だけど)は
コーヒーと一緒に飲むと上手く摂取出来ないと
昔 聞いたこと有るような・・・

一つ言えるのは 当時より 確実に健康になっては
いるかも知れないけど 年は重ねている・・・と

今年で36ですもの〜。 10年一昔って感じかしら〜。
10年後には同じコト言って笑って居たいような。

* 少しずつ オカズスライド お弁当

富山に来てから 旦那の弁当 復活したけれど
今の処は冷凍食品は使わないゾ! を モットーに、

でも 一品ずつ 小分けにして 煮物保存、とか
そんな風にしているから 少しずつ同じおかずが
ズレていく、スライド方式?(笑)

スライドって言うと理科室の実験プレートを
思い出すなぁ〜 

スポイトで液体とか吸い取って プレートに乗せて
顕微鏡で覗き込む〜 とか リトマス試験紙、とか
あ、私 文系なんだった〜 理科は解らないの〜

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* 水槽を ピチャリと揺らす 金魚かな

きっと 寂しいのだろう
僕の帰りを 待ちわびて
君は 波紋の中で
日々を 重ねている

留めたい程の 思い出も
部屋の中までは 届かない
本物の 太陽の 光も
蛍光灯で 誤魔化して
元気に 泳いでる

目が覚めて 見渡した景色が
全てだと 思い込むこと
錯覚の中でも 綺麗なのは
硝子細工 カレイドスコープ

クルクルと 歪む視界が
明けた空の如く クリアに
空色に 染まる瞬間
きっと 夢から目覚めるのでしょう

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ただいま〜!って
元気良く 扉を明けると

おかえり〜!って
誰も言わぬ 代わりに

君が パチリと 返事する
電池式の センサー感知機

小ぶりで 下駄箱の上に置いても
可愛らしいくらい

三つも 有るんだけど
取り合えず あとの二つは
ベランダで 使おうか どうしようか

でも わざわざ夜に
布団干しなんて しないし・・・

そう思って
三つとも重ねて 置いていたの

一人だけ 太っちょなんだ
あとの二人は 
電池 入れてないからね

そうしたら 昨夜
ばーん、ぱーん、って 花火の音

こんな時期に! と思って
思わず窓を開けたら

ギリギリで ラスト乱舞に 間に合って
良い気持ち

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窓を開けると
川の南側は 何時も 雲っている

いえ 天気の話じゃあ ございませんの
何かの煙か霧が 立ち昇る 風景

これは もしかして 温泉だろうか
あの辺りには 天然温泉が あった気がする

「掘りゃあ 何処でも 出るんだよ」
なんて言った あなたの言葉を 思い出しながら

もしかして 野焼きか 火事かと
思考を 巡らせながら

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低い位置に揺らめく月は 籠のよう
陽炎の消えた 喧騒街に 揺れる灯と相まって
至極 華麗に 簡単に 視界を汚す 存在
穢れて生るのは 瞳の方
再生可能なレンズばかり
赤や紫のビームで 切り刻む皮膚は
爛れながら 皮膚を 別物に 染めていく

アスファルトに乱反射した夕暮れは
嘘みたいな鮮やかさを呈しながら
時間遅れの飛行機雲と一緒に
地平線まで 追いかけっこを 始めた模様
ねぇ地球は 碧いの碧なの
信号機から溢れる光の種類なら知ってる
振り向いても死角ばかりで 解らないんでしょう

今夜の月はとても綺麗だ なんて
ありきたりの文句で挨拶をする相手も居ずに
未だ夕方の範疇なんだから なんて
添削してくれる 脳味噌ばかりを 信じて進む
間違いない 薄紅の刻は 過ぎてしまった
濃ゆいばかりの夕闇が 波の如く 流れて 消えた

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自由詩 金魚 Copyright 藤鈴呼 2010-11-21 14:38:51
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