眠り
藤鈴呼


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何でも仕上げが肝心なんです
仕上げる為には 走り出さないといけません

小さな頃 見上げた野山が
いつか 近くなっては いませんか

砂埃は 校庭を走った時に
舞い上がるものだと 思っていたのに

真っ黒な輪を 四つ 動かして
綺麗だった小道を 灰色に変えて
周りの木々だけを 眺めながら

嗚呼 久々に 緑に出会えて 癒されるね
なんて 微笑んで 生るのです

新しい家は あちこちに 分譲されていて
建売住宅が 持て囃された時代から

札束さえ チラつかせれば 
自分の 好き勝手な楽園が 出来上がるという
便利さに 移行し

札束が 重いので
キンキラキンの アクセサリーで 着飾った後で
ぎんぎらぎんにさりげなくって何ですか?と
若者に 質問される 羽目に陥る

今朝も 真新しい木が 少し濡れているのを
見かけました

塗れているのでしょう 流し込んだ モルタルで
綺麗に着飾れば 木々の呼吸など 忘れ去って

逐一 口ずさんだ 懐かしいメロディーは
口笛から 箱の中へと 押し込まれるのです

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昨日のテレビで
火の鳥を 見かけた

丁度 夕暮れ時
拡大したパネルは
少し あやうい方向に
歪んでいるようで

そうだ きっと
携帯ショットだったんだね

今日び とても楽に
色んな写真が 撮れるようになった

大きなカメラを手にした
本物のカメラマンは
少し 哀しそうな笑顔で
呟くんだ

露出もピントも明るさも
(この辺り 専門家では無いので
 重複しているかも 知らんけど)
皆 自動的に やってくれるので
楽になりましたよね

どんな人でも 簡単に
ステキな写真を 描き出すことが
出来ます

そうだね
カメラ そのものが なかった時代は
もっと 一つ一つ 目に見えるものを
大事に 出来ていたのかも
知れないな

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キコキコキコ・・・
三歳児が 三輪車を 漕ぐような

(果たして 三輪車に似合う年齢は
 三歳児、なのだろうか
 ただの 語呂合わせにも似た
 インスピレーション)

あたしは 何時だって そう
眠れぬ夜に 「あ・・・」 と 呟く
隣の貴方も 「ん・・・」 と 寝返りを打ち
あの音が 聞こえたのだな と 思う

ねぇ… 何の音だと 思う?

午後になれば鼻を掠める ガーリック臭
隣近所を繋ぐ 換気扇

眠れぬ夜の理由は 不安じゃない
単純に 寝過ぎたのだ

今朝 あなたが早いと知って
九時半に 床についた 
アタシが 悪いの

台所や居間の向こう側からも 響いた音
あの時は 未だ起きていたし 間違いない
でも 逆部屋側の壁からだったなぁ…

この建物は 動いているのかも 知れないね
平仮名が あ〜ん で 簡潔するように
建物も いずれ 退化するんだろう

ひろさちやの本を読んだの
死の世界、死後の世界
頼まれて注文して送る前に 盗み読み
仏教本なんだけどね
その内容を 思い出した

何でも ないんだよ
気にするから いけないんだ

建物も 呼吸しているんだよ
住まわれ人は 選べないから
たまに 深呼吸を するのでしょう

あ は 小気味良く 音にするのが 可能なのに
ん は 上手く 言えなくて

カラオケでも うん と 誤魔化すみたいに
今だけ ちょっと 思考停止

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本当は 道の駅に 寄るプランだった
未だ 秋なのに 冬のように
スキー場を 堪能した後で

景色の綺麗に見える 風呂が有る
そう 聞いたのだけど
多数決で 帰ることに なった

会社のイベントで集まった 家族達
皆 一泊後は 仲良くなったけれど
温泉は やっぱり 微妙なのかなぁ

思えば このネーミングって 面白いね
道って 車を連想するし
駅って 電車か新幹線でしょう
その二つが ドッキング しているの

思い出した カツカレーのメニューを
初めて 考案した人も
何て贅沢なんだ! 片方で良いだろう
なんて 言われたんだってネ

贅沢でも いいよ
こんな 世の中だから
心の中に 贅沢風 吹かせてさ
出来るだけ 笑って 過ごせるように

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キンキン声は キライです

何時からか
キライだった ソレが
自分の周りに はびこっていて

消したいのに 消えぬ 妄想のように
払いのけたい くもの巣のように
蠢いて いるのです

それでも 目を閉じれば
見なくて 済みますから

そう 思って 静かに していたのだけれど

キーン
耳鳴りがして 仕方が 無いのです

嗚呼 ハウって いるのですね

ワタクシの 
カラオケの声

その後は エコーを外すことを覚え
何となく 思春期を 過ぎた後では

満月だった 顔の輪郭も
自分なりに ♯になった 気がするし
音出しで ♭感を 演出すれば
華麗な曲が 完成するのです

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何だかね、おっかないの

夜のドライブは 
お手のものだった 筈なのに

雨が 激しいからなのか
ワイパーに 隙間が出来たセイなのか
皆の運転が 粗いのか

道にも 慣れてないし
信号は 光って見えるし

高速でも テイルランプが 斜めに光って
ぼかした演出のテレビ番組のようで

あの、良く有る 
天気予報コーナーのイメージ

ああ そうだった ここではね
天気予報のBGMが 七つの子なの

思わず 吹いちゃったんだよ

何処からか 楽しい イメージで
何処からか 不慣れで イラついて

ミックスジュースは 蜜の味
いや 本当は 先日 作った 
リンゴジュース
とっても 濃ゆくって 美味しかったんだよ

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あの瞬間 輝いて 生たよなぁ
振り返る時には 長かった日々が
一瞬に 流れて

そうだね 建物に 皹が入る
瞬間と 同じ

ピッ って 
可愛らしい 音が鳴るから
騙されるんだ

何かの 注意信号かと 思ったら
携帯の アラームだったり

自分で設定したんでしょう?
突っ込まれて
言い訳も 出来ない まんまで

頑張ったって 言える自分が
愛おしいですか
懐かしいですか
憧れですか

通り過ぎて来た時代へ
戻りたいですか
忘れたいですか
思い出せないですか

ドキリとする瞬間は 多い方が良い
強張った 表情でも
得られる何かが きっと 有るのだから

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区切りをつけられるのは
幸せなことかも 知れない

私が読んだ本には
こんなコトが 書いて有った

昔むかし 彼女は
伴侶を亡くして 嘆いてた

その頃は 一日の概念が無かったが
周りの心あるものたちが
昼と夜を作ったので
彼女は 数えることが 出来るようになった

あの人が いなくなったのは 昨日
あの人が いくなくったのは おとつい

そうする内に 時間が解決して くれたのだ、と。
それまでは ずっと
あの人が いなくなったのは 今日だったのです。

何だかね ハッとしたんだ

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秋風 吹き抜ける 神通川沿いの
桜並木が 怒りに震え

ワタクシの住む 畳の部屋まで
ぴゅーこ、びゅーこ と 聞こえるのです

嗚呼 春だけが 待ち遠しいか
桃色の花 羽ばたかせ
見送る夏が 暑すぎたのか
重い雪の 冬は 嫌かと 尋ねます

名前も知らぬ 白い鳥が
イヤイヤ 首を 振りながら
枯れた 葉っぱと 遊んでる

冷たい水面を ものともせずに

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理由がなければ
酒は飲めぬと
勘違いしていた頃

飲み会が 楽しみだった

理由をつくって
飲み会を開くことが
立て続けに起こり

お酒から 離れた

離れたフリ していても
心は 何処か 求めてて

冷蔵庫を 開けば
サンゴー缶が
鎮座している

さんごーかんって なあに?
かっぷら とか がそすた 
そう言うの アナタ だけだよ

350mlのチューハイや
カップラーメン
ガソリンスタンドは
日常に 溶け込んで 居るのです

理由がなくても 
飲めるようになった 私は

風呂上りに 
もう一度だけ
冷蔵庫を 開ける

あ、ちゃんと、理由があったよ
物質的 理由がね
「暑いから。」

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夢の島に 初めて上陸した時は
本当に 感動した
全てが メルヘンチックで
現実を 忘れられた

別に 忘れたかった 事実が
有った訳じゃあ 無いけれど
高い処から 眺める 町並みに
感動するのと 同じ 原理

先日は 昇り切れなかった
スキー場の ジャンプ台
大好きな スキーなのに
オリンピック会場なのに
こんな記念 
二度と ないかも知れないのに
何で 無理だったんだろう

灰色の階段の 隙間に浮かぶ
赤や黄色の葉っぱは
とても 綺麗だったのだけれど
展望台から 眺めるように
気楽には 行かなくって
何だか 吸い込まれそうに
なって しまったんだよ

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ボージョレ・ヌーボーが 
解禁になった らしいんです

ボジョレー・ヌーボーだ
と 思い込んで居たり

何で 日本で 初解禁なんだ?
と 中途半端に TVニュースを
「聞いて」 いたり。

フランス〜 土産は
やっぱり ワインだよねぇ
でもね アナタ
7人くらいで 750ml 1本じゃあ
足り無すぎるでしょう?
渡さなくって 正解よ

時差とかね 面白いの
携帯も 通じないの
充電や 電圧の 種類? も 違うの
何だか 訳解らなく
なっちゃうんでしょう?

メールのやり取りしてても
時差って 考えるよね
ヒートアップして 送ったものを
読んだ相手の 心模様とか
気にしていたら メールの一つも
送れなく なっちゃうんだけれども

遅れた理由はね
そんなんじゃあ 無いんだ
至極 単純に 
指が 動かなかったの
心と 同時進行でね

一つだけ 解っているのは
アナタが 眠っているか 起きているか
きっと 私には
解るんだっていう 思い

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喋るよりも
正確に
心を 伝える 手段

活字、を
そんな風に 捉えてしまえば

楽しいけれど
空しいね

空に 文字は 描けないから
ぽっかり浮かぶ雲とか
真夜中の星を 見上げて
感想を 呟くしか 無いんだ

砂浜に 棒で捧げた ラブソング
次に 波に さらわれるまでに
あなたに 届くのかな

やっぱり 言葉にしなくっちゃ
どうしようもない

聞こえなかった言葉は
そのままにして
見えなかった言葉は
鵜呑みにして?

何よりも 私の思いを 伝えるのは
カチャカチャと叩く
キーボードだと 思っていた
上がり下がりの微妙な
眉かも 知れなかった
何よりも それだと 気付いた

響くほどに 打ちたくなる
感じようとする 心

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うーん… ちょっと
眠りすぎたかなぁ〜

昨日も今日も 自由な時間が一杯で
楽しいんだか 悲しいんだか
眠ってしまったら
脳まで 活動停止に なってはいないかなぁ

ちょっと 心配なんだなぁ

おいかけっこで いたちごっこで
あたしは どっちかってぇと
おこじょ、が
綺麗だと 思うんだけど
そこんとこ どう思う?

ねぇ 眠ってないで 起きてよぉ

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自由詩 眠り Copyright 藤鈴呼 2010-11-20 01:09:26
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