*うさぎ
藤鈴呼

戸惑いと 哀を 感じられたならば

どちらの方が 他人の感情を
より 動かすことが 出来るの

僕には 分からない
君よ 教えて呉れないか

まだ 分からない
まだ・・・

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

今宵の月は ピンク模様

「赤い月が見たいんだ。」
あの快感を 返してくれ

僕のブルーな表情を
もう二度と
君に見せなくっても 済むように

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

またしても 都合の悪いもやが
僕は コンタクトを とっていない

コンタクトを 落としてしまったから
君の姿は 見えない

見ようともしない 見るひつようもない
一体どちらなの

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

埋めかけた 昨日までのKISS
僕という名の船が 今 悲鳴をあげている

雨の夜に 君を想う

ひたすらに 眠れなかった日常は
僕を 代えてゆく

あしたになって あさひになって
オレンジの太陽があがるまで

僕は それでも 戸惑いつづけるのだろう

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

おもちゃ箱の中の 古ぼけた鎖で
編み上げられた 小さな鳥籠
迷い込んだ ウグイスの かすかな寝息

羽根を すぼめたまま 埋くまっていれば良いものを
金網に向かって八つ当たり

太陽と大喧嘩の最中だから
雲に向かって鳴き声を ヒビ割れた音 プラスティック

光のお城に逆戻り 異臭を放つ 羽衣を
透明な身体にくくりつけ 又 羽々たきを 試してる

両腕伸ばしてしまったら その傷口が目立つだろ
魂失くした紅の 翼広げて 深呼吸

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

何度も巣箱を蹴飛ばして
「お家に帰りたい。」 と 強く願った

ガラスの花瓶は 粉々に 熱い炎が触れたから
甲斐性の無い掌で 溶けた幻 生き永らえる
物語途中の結末 先だ変更(かえ)られる

黒い眼鏡越しの暁は 何色に見えたの?
分からない 僕は 台本を喰べてしまった

巣箱の中のお話を その外側で創ってた
思い返す恐怖と言えば バンドエイドだけ

擦れ違ったのならば 一度は触れた想い
僕の判断ミスならば 自業自得なの

過去が 一人歩きを出来たとして
取られた哀(モノ)は 戻っては来ないの

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

○ う さ ぎ ○


とびきりのスパイスの効いた カレー粉を
君の瞳に 振りかけた

二日目 貫徹過ぎの このペットの食料には
持ってこいの アイテムなんだね

充血まなこと 物言わぬ唇に
つむぎ出すのは 的を得た台詞だけど

まるで いなばの 白ウサギ

旅人の瞳 伺いながら
何度目の うさぎ飛びをすればいい?

ハネ気味の 片耳にのみ 赤いリボンかけて

あと 何度 跳ね回れば
ご主人様は 満足するの?

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

色の無いカクテル これで何杯目だろう
このグラスには 似合わないって言ったのに

得意気に注がないでくれ 舌先が狂っちまう
大好きな赤ワインで 乾杯の予定だったのさ

マスター シェイカー 振ってくれ
腰を振るよりは ずっと健康的なのさ

まどろみのナイフは 肌を切り刻むために
やすらぎのフォークは 液体をかき混ぜるモノ

傷(やさ)し気な 君の 栗色の瞳も
薄暗い 廊下の奥で 黄緑にしてあげる

透ける様な 白い肌は 更に 透明に
エロティックに エキゾティックに
染め上げて あげるから

       グラスを  寄越して

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°



自由詩 *うさぎ Copyright 藤鈴呼 2010-09-25 20:03:38
notebook Home 戻る  過去 未来