雀蜂
藤鈴呼

イタズラ仔猫と一緒に 紅茶を飲む
空色の空を眺めながら なんて
当たり前の ことなんで

紅茶から立ち昇る湯気を混ぜて
ミルクティー風味に 仕立て上げる

見た感じと 触る感覚 味わいは
三様なんですよ と
驚いた顔の 女子アナを 思い出してる

彼女は 知って しまったのだ
手食した カレーの具は 熱く 固く
口に入れた瞬間 温く 柔く 
感じるって コトを。

てしょく は 行儀が悪いと 躾けられた 日本人は
お菓子でさえ 皿に盛り ナイフとフォークを使う
西洋風味の お洒落さんに 
そりゃあ もう 夢中だけれども

こうやって 普段 使わない角度で
まじまじと 眺める世界は
彩り 風味に 溢れてるんだって
知って 居るんだろうか

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伝わるだろうか
繋がるだろうか

ゆっくりと 考える

余りにも ゆったりとした 時の流れに
時折 立ち止まりたくも なる

佇む瞬間も 確かに 必要不可欠で
まどろむ 浮遊する 自由な瞬間

それは 全ての糸に 絡め取られて
静かに 浄化していく

この 暑さの 中でも
どんな 圧力の 内でも

湖の中に映り込む 七色の虹が
儚くて 綺麗で 尊くて

ゆっくりと 目を閉じる

*

即興ゴルコンダ
タイトル 遠い存在のあなたに
by kauzakさん

投稿11作品(時間外1作品含む)、投票10票
1位 得票2

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求めたのは ヒンヤリとした水だったが
営業スマイルを浮かべた小悪魔は
説明に 余念が無い

最近は こんなに便利なグッズが 有るんですよ
ほら、ねぇ、素敵でしょう? と

頼みもしない マジクールや
キシリトール入りのヒンヤリ飴など 持ち出して

今なら お買い上げの方 全員に
ミストのタイムサービスを いたします
なんて言いながら とびっきりの スマイル

マジクールなんて 役立つけれども
喉の渇きは 癒せやしないだろう
そんな発言 マジでクールに交わしまくり
次の文句を 考える

飴とラーメンを口にしたら
余計に 水が欲しくなるの鉄則を
お嬢さん アナタ 知らないんですかい? などと
嫌味の一つも 言ってやりたくなる

その上 霧吹きに かけられるんだって?
僕の格好を見て 解らないのかい?
これ、一張羅なんだけどなぁ

どうせなら ミスドのタイムサービスの方が
嬉しいなぁ

嗚呼 でも やっぱり 食べた後には
水が 欲しく なるんだよね

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椋鳥も啄木鳥も 上手に読めなかった頃
鴉 鵜 潟 なんかは 几帳面に 描いていて

黒い羽根が 虹色に見えたり
鵜飼や新潟の地名に 親近感を感じたり

嗚呼 これは 重複しているだろうか

ダントツの 一位と一緒で
感じることを感じるのは 

二重に感じたと言う 言い訳には 
ならないだろうか

そう思いながら 見上げると

そうですよ
そうでもありません
そうかもしれません
わたし わかりません
わたし しりません
どうでも いいです
まちがっています

色んな鴉が 段違い平行棒の間から
七つの嘴を差し出して 吼えるので

嗚呼 煩い! と 躍起になって
椋鳥を 見上げる

彼等は 大人しく 慎ましやかな 鳥なんだ
そんな印象とは裏腹に

駅前を占領する敵で有るかのような報道に
閉口する

どこの世界でも同じだ
などと言う言い訳なら 幾万回も 聞いているが

どうやら どこの世界 と言うのは
人間様 前提の お話らしいのだ

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たった一つ 雲が存在するだけで
その空は 快晴で なくなる

改正された 空を 描くのは
画家の 自由だけれども

得てして 独創的な 空間として
存在する 塵、 が
なかったことに されそうで
少し 怖い

雷神様の吐く 溜息が キライで
塗り潰したかった マッド スカイ

狂おしく揺れる どんな雲よりも
一等星の 煌く 星座

麻で 織り上げた 古里の糸
有秋の色 里数の調べ

*

新明解漢和辞典によると

有秋 よい収穫があること
里数 みちのりを里であらわした数

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事件は昨日 勃発した
何時もの様に 愛人と戯れて居た

すずザレに慣れて居る人ならば
愛人 イコール WC だと
瞬時に 解って呉れることだろう

世の中には 幾つもの 
すず語 が 存在する

嗚呼 話がズレてしまった
本当に ズレて 呉れれば 良かったんだ

あと 1ミリ
いや それじゃあ 足りないか
あと 1センチ

いやいやいや! と
被りを振りたい様な 一瞬の寸劇だった

ぽちゃん♪ と言う 
可愛らしい音も 聞いた記憶は無いが

瞬時に 手を突っ込んで
彼女を 救出したことまでは 覚えてる

後は 呆然として
濡らしてはイケナイ と 思いつつも

除菌ポンプから 溢れ出す泡を
あわわわ、と 慌てながら タオルに取り

携帯に こすりつけて
罪を なすりつけようとも したもんだ

それで 彼女は 機嫌を直した
そう 一時的に

嗚呼 女心と 秋の空だ
アタシは そのまま 昼寝を決め込んだ

何か 嫌ぁなコトが 有ったら
とにかく 寝ちまった方が 良いんだって
知ってるんだ

目覚めて あら? と 気付いた

夕食は 要らないかも知れない
飲み会が入るかも 知れない

そう 言われてたけど
パソコンに まだ 連絡がない

もしかして 携帯に メール くれたのかな?
寝ぼけ眼で 開いた画面に フリーズ

あれ? 切れてる

まぁ 彼女は気まぐれなんだし
電池を入れ替えても 
突然 しかめっ面になるのには
慣れて居たので
深く 考えずに 電源スイッチを 押す

あ  れ  ?   起動 し な い …

かくて アタシは ドコモショップに走った
仕方無い 緊急事態なのだ

もう 買う気 マンマンだ
でも 即決はせず 一度 帰宅する

もしかして 以前 トイレポチャを
一度 やらかした時に

機種変更をして 数日後 復活した
あの奇跡が 起こり得るかも知れない!

あーあ アタシってば
学習能力 皆無だな
ってか あの悲劇を すっかり 忘れていたよ

落として暫くは ポケットから逃げないように
彼女を しっかり 捕まえて居たのに

慣れ過ぎたカップルと同じでね
真夏は暑いから 
手を 繋ぎたがらないんだ

もっと ぎゅっと 
抱き締めて置いたなら 良かったのにね

そんな訳で 彼女は 一人
水浴びに 出掛けたんだよ

僕の ポケット と言う名の
クソ暑い 楽園を 離れて

きっと 息苦しかったんだろう

それにしても もっと 綺麗なプールを
探してくれても 良かったのにね
救出する身にも なっておくれよ

そんな独り言を 呟きながら
目の前の お姉さんの 説明を 聞く

やっぱり 機能性より 安さ
見た目より 機能性
デザイン 素敵だケド・・・

帰宅して 旦那に報告に
結局 一番 安いものに 決定し

そして 今
ショップの開く時間を 待ちわびている

嗚呼 キッカリ 四年振りの 出会いだ
準備に 余念は 無いかい?

嗚呼 大丈夫だよ、なんて
気合を 入れながら。

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俺様は 蜂界の王様なのだと
威張る 雀蜂

誰もが 道を開けて 呉れるので
怖い者など無いと 言い放ち

言葉ダケでは 足りなくて
自らの針で ぶっ刺すのです

猛暑続きで 攻撃的なのは
短気な 証拠

逃げ回る人間を眺めるのが
楽しいものかと
首を捻りますが

どうやら 考えて居る暇も 無さそうで
有りもしない 尻尾を巻いて 惑うしか
方法は 残されて いないようです

それでも たまには 勇者も居る様で
さぁ かかって来い! とまでは 行かないが

刺されても 刺されても
元気 とまでも 行かないが

無事に 過ごして居る 兵どもは
魘(うな)される夢を 
見がちなのかも 知れません

暑苦しいから 寝苦しい
そんな 当たり前の 結論を
扇風機からの微風で やり過ごし

どうにも こうにも 結論の出ない 物語を
海馬の奥に 埋め込んで
今朝も 元気に 起き出すのです

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自由詩 雀蜂 Copyright 藤鈴呼 2010-08-31 09:32:35
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