かっぱっぱ
藤鈴呼

夏 それは 虫かごの季節
緑色の 四角い プラスティック製の 住まいに
友達を 集めようと 躍起になる

自分の背丈よりも長い 網を手に
上手く バランスの取れない姿は
ヤジロベエのよう

天秤に かけなければ ならない
切羽詰った よしなしごとも 
きっと なかった

網が 喰い千切られて 悔しい涙も
キラキラと 光ってた

捕まえられなかった 音の鳴る 羽根を
ゆっくりと 見上げれば
小便を 引っ掛けられて 失明するんだよ

そんな 迷信だって 知らずに
木に止まる瞬間を 今か今かと 待ちわびて

あの頃の 一日は 長過ぎて
人生の 棒グラフなんて 
想像も 出来なかった

虫捕り網の 棒が 異常に長く 感じたけれど
今じゃあ 人生の方が 短く 感じるもんだ

長かった 一日が 終わり
くたびれて 引きずる 足元を
今も 昔も 変わらぬ 温かい光が 
照らしてくれる

今と 昔じゃ 違う 帰る場所への
道先案内人を してくれる みたいだ

また 明日の昼間も 
羽根を 擦り合わせる音が
きっと 聞こえて 来るだろう

臆病者に 其の姿は 見えないのだ
今度は 笑って 見上げてみようか
あの 眩しい光と おんなじくらい
美しい 姿が 拝めるのかも 知れないから


即興ゴルコンダ
タイトル 蝉と月  by ABさん

投稿数 13作品
投票数 11票 (他時間外1票)
得票 1

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

切手も 涼しげなのが お好み、な 最近は
細菌が 繁殖しそうな 暑さだねぇ

暑すぎて 繁殖も 忘れそうなんで あるまいか
劣化するのは CDの 盤面

ちょっと もふもふした グレイゾーンが 有って
まるんとした 雰囲気だからって 
笑顔になっていると
ヤツラに ヤラレて しまうのさ

菌糸類は 禁止です! と 
大声上げて 吹いて居る
ブブゼラ大音量にも 負けぬ 勢いで 
捲し立てた 後で

強風に 浚われた 衣服の裾を 
慌てて 抑えながら
自転車を 漕ぐ 漕ぐ、漕ぐ!!

何だって 朝っぱらから 向かい風なんだ!と
恨めしげに 晴天を 眺めそうにも なるけれども

落ち着いて 考えるんだ

この 風が 無かったならば
もっと 暑かったかも 知れないだろう

晴天じゃ 無かったならば
カッパッパの 装いだったんだろう

だから 全てに 感謝するんだ!
見事なまでの 前向きモードまで
熱風竜巻に 吸い込まれて 

天井へと 舞い上がる 思いの竹に
短冊を 垂らして 
揺れる方角へ 今、急げ!

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°


自由詩 かっぱっぱ Copyright 藤鈴呼 2010-08-12 08:40:44
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