黒が似合うようになりました
白はちょっと 気恥ずかしくなりました
女になったのはいつ頃でしょうか
どんなふうにしてでしょうか
化粧が上手くなった頃でしょうか
愛するからでしょうか
愛されるからでしょうか
それだけではないように思います
相変わらず
思うままに生きようとします
信じるものを選びたがります
張れない意地を張ろうとします
そうしてわたしであろうとします
ただ密やかに
骨張った手が らしく見えます
掻き上げたうなじが 見せつけます
ため息さえ もう娘ではありません
白い胸元に 男がもたれかかります
夢に生きるわけではありません
仕事に賭けるわけでもありません
日々の営みに精一杯です
ちっぽけな幸せに満足してしまいます
相変わらず
タバコは似合いません
グラスも似合いません
さり気なく
あなたのタバコに火を差し出すなんて
気の効いたことはできませんし
あなたの浮気に 寛容ではいられません
いつまでたっても 妬きもちやきです
ただあなたが
私の胸にもたれかかり
ため息を落とし
疲れを落とし
涙を落とすとき
女になったのだと 感じるのです
2004.03.19