ふたつのばか
yaka

ふたつのばかが錆び付き始める
頬は垂れ窪み
背骨は歪み
関節はキシキシと鳴き
時は残酷に醜い塊を仕上げてくれる

垂れ窪んだ頬に流れるものを、あなたは両手で掬う
歪んだ背中から落ちるガラクタを、わたしは拾い集める
関節が悲鳴を上げても、繋いだ手を離さない

時は
真夏の夕暮れに、ふたつのばかを包み込む


自由詩 ふたつのばか Copyright yaka 2012-08-08 22:53:25
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