記憶
暗闇れもん

ウエーブかかったやわらかい髪
濃い肌に指をはわせて
寒い日は肌をあわせて
やわらかな布団の中で溶けた温かなかたまりになっていた

涙が出るのは何故だろう
もう何人もの肌を乗り越えて
生きる為に選んだことなのに

音楽を聴いただけで
閉じてあった箱の扉が
結んであった紐が
解けるように
あふれ出した
あついものが頬を伝う

戸惑っているの

消したい

待ってるなんて言いたくない

涙が止まらないのは何故だろう

もう現れないで

もうこないで

待ってなんかいない

ひとりで今日も眠るの

抱えるのはあなたの笑顔だけで

嘘よ

この世界がもう嘘でしょう



自由詩 記憶 Copyright 暗闇れもん 2010-05-11 23:39:58
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