暗闇れもん

唇を噛み締めて
生臭い鉄の匂いがするあなたを
ついばむように

床の上で
スーツがしわになるのも気にしない

あげたネクタイがぐちゃぐちゃに

床で波打って

生き物のようにフローリングで

生臭い息をはく

しずくが波紋のように闇に広がる

月明かりだけの薄暗い穴で

ここだけは生きていると言える位

あつい息を何度もはいて

何度も

何回も

傷つけるためだけに

違う名前を呼ぶ


自由詩Copyright 暗闇れもん 2010-05-11 23:47:48
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