職人
番田 

水平さを眺めた森林は
上下をなすことで目眩がする目だ
緑色なのは 工業地域としての体裁か
空は灰色 器を吐き出すことで
悲しげな夕暮れを歩いていくみたい

何もかもを同情する神秘的な心持ちの奥は
僕の 手にすべき色合いとしてうなづくこと
言葉を流れるかけらの継ぎ目としてかつぎだされた日
物思いにゆがんだ心の 寂しい日

自分ではなくなったことが 憂鬱だった
空の中をとても乾いたように自由だった
誰も体に無くなったみたいに 僕は
ぼんやりすることで 自由に思えた体だった

ばらばらと
鳥かごから跳躍した 七面鳥は
クリスマスシーズンだからこそ食べたくなる舌
ぼこぼこと 川を越えてどこへと


自由詩 職人 Copyright 番田  2010-02-25 01:03:13
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