クラスメイト
番田 

母がやってきた風として
彼方を風が流れていた時だった
父が手を振っていたような気がする思いの
岸辺は砕けたようなボートが横付けされていた木だった

冬の日の河原に遠い日を描いた夕ぐれに
体操服の柔らかな香りを思った休み時間
体操袋を放たれた思いで
五時間目の窓の日差しを転げ回るようにして見えたいくつもの散らばりだった

女の子たちの暖かな体の色彩が
何か心を締め付けるようだ
上履き入れに隠した手紙を考えながら
髪の短い子へいつまでも渡せずにいた告白だった

紙飛行機はどこに行くのだろうと思うことで
紙飛行機は戻ってくるのだろうと手に予想させられた思いは
放課後の保健室で誰かがあの子を
恋人として話していたシルエットだった


自由詩 クラスメイト Copyright 番田  2010-02-25 01:02:13
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