点在しているライトの目。
岡崎師


日曜日、カーテンのない部屋。
一瞬の連続で作られた、ぼくらの時間は煌めくから、それらを宙に浮かべて、星と呼んだ。
薄く滲んだそれに名前をつけて、線で結ぶ。水平線の彼方に落ちゆく星に、願いを込めた。
遠くで鳴る風に色を与えて、街には影が生まれた。朝を太陽、夜には月が監視してくれた。
僕らの願いをサテライトに。月の裏側へ挨拶しに行く。キラキラ煌めく地球にGoodMorng

月曜日、見晴台。
灯台で録音した、星のテープを君にあげるために、僕は海鳴りで作った封筒に、願いを込
める。静かに聞こえるその星と海の音を、しっかりと閉じ込めた後、海へ、流した、砂浜
に描いた星が削られ、そこに宝石が現れた。碧く輝くそれは、海の涙を閉じ込めたビー玉。
きみに、それをあげるよ。

火曜日、音のない音楽室。
無音。絶叫。空。静寂。木霊。唄。見違える程住んだ、昨日までの景色を塗り替える、青
空の光が、夜に雲と落ちる、楽器のない部屋で膝を抱え、口笛を鳴らしている。カーテン
が外され、遠くで灯台の灯りが海に、はねかえっているみたいだ、五月蝿いのか、静かな
のか、貝殻の耳でぼくは、それらを聞いた、瞳に映る海は青。おなかがすいた、

水曜日、潜水艦のカフェ。
海の下、青緑色の深海にて、きみは、潜水艦のESPELANDと言うカフェで、雲のソファー
に座っている。丸い窓から見える魚はどれも、カラフルで、飴玉みたい。一人、お茶しな
がらきみは、窓に向かって息を吐く、はいた息は、とけ、泡となり、地下から地上へ、浮
かび上がる、透明な歌に乗せて。

木曜日、風の飾ってある丘。
星が、水平線に静かに並び、風が、十字架となり飾ってある。透明で蒼なそれらにふれる、
ゆびが、ちぎ れ そうだ、。 空には浮かんだ、雲と星。とおくでは、鳥も何羽か飛ん
でいる。高層ビルが小さく見え、カーテンの掛かっていない部屋が、ひとつだけある。僕
は一つの風を引き抜くと、その場所に地下室を掘る。

金曜日、地下室。
僕の隠れ家。拾ってきた星で、窓のない窓にそれらを飾り、祈りを込めた。風を、額縁に
飾り、祈りを捧ぐ。唄が聞こえるように、僕は海を集めて、部屋に閉じ込めた。それから
太陽と、月。雲を拾ってきて、しまい込んだ。砂浜のヘッドフォンで僕は君と、Stars &
Krudと名前のついた、二曲を同時再生し、地下室で、激しく踊ったのサ。

土曜日、遮音室。
音楽は要らなかった。音が底にはあった。耳鳴りほどの、千切れそうな、うたがある。僕
と君は此所に居る。カラフルで、飴玉みたいな、そして灰色の地下室で、オチャをしない
か? 吐いた息は反響し、それらも歌となり硝子の部屋に響き渡る。僕と君はこの場所で
カフェを開く。住所は 風ノ丘一丁目 地下室 Eyes In The Scattered Lights .


自由詩 点在しているライトの目。 Copyright 岡崎師 2010-02-14 01:59:51
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