自分の内臓を穿つ神話
散布すべき薬物の所持2

心を病んでいる状態という状態がこの世には存在する。
精神疾患であり、社会不適合者である俺の速度を殺す全てというものが人生であり、むしろそれ自体であるとも言える。
今、俺の隣に住んでいる少年は太陽であった。
水面に映る太陽であった、そう確信している状態がこの俺に存在し、無意味な暴虐ばかりがナパーム弾のように俺の身体を駆け巡り、俺を殺す全てとなる。
それは税金であり社保であり国保であり年金であり、といった環境に、資本主義と民主主義の子供として産み落とされた奇形児の俺である。
だから俺は全てを殺す、文化包丁さえあれば商店街から世界を宇宙を根こそぎ攫える、自分の右腕を半分ほどミキサーにかけて苦しむ自分の映像や金属製の角錐に自分の頭部や眼球部を打ち付けては苦しみ痛みを和らげようとする自分の映像ばかりが頭の中を錯綜している。
キチガイの夢、放送の矛盾、俺は約10cm程の大きさに縮み、二次会のカラオケで楽しそうにEXILEやコブクロや湘南乃風を、まるで脳髄がチェ・ゲバラのふにゃちんのようにED的に歌っている、明日の滅亡や絶望を知らない大学生達の鞄の中に入っているルーズリーフの上にゲルインクとなってボールペンから排出され、そこにいる。
クソみてぇな解決しない課題ばかりが転がる御家庭の希望に溢れざるを得ない朝食のテーブルの上の混ざりづらい分離液状ドレッシングの中に突如ごぼごぼと発生したのも俺であり、また、すぐに狂って死んだ。
俺が悩んだところで何も変わらず、明日も俺のいない円滑な社会が動いている。
全員苦しんでいる、少しずつ削られていく、俺の眼球を愛撫する、そういった、全てが、俺を、殺しに、くる、涙が、あふれてくる(了)


散文(批評随筆小説等) 自分の内臓を穿つ神話 Copyright 散布すべき薬物の所持2 2010-02-13 13:37:34
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