クジラちゃんの赤肉の血
KETIPA

どうしたよ
船あんなところにいる船
ほら波ないからよく見える

ぽこぽこ ぽこあぽこ
雪だ
無人島じゃない孤島だ
この丘 いや島の


樹木が腐ってる
どんどん干乾びてるのに湿るばかりだ
白く腐っていく
どうして私だけつやつやと

ここでひとりの


汽笛?

いや空耳 風だな
蒸気がぼおおとふるえていて
海がちょっとずつ変色している
庭で

ぼーぼうに生えてた草はどこに蒸発しちまったんだ


ふふ 地平近くの海にクジラがいやがる
なんだ汽笛はあいつらか
あのまわりだけ赤い海なんだな
肉を食っている



ぴーころ
ふふ


土が菌糸と雪に白くて
うすい日暮れに
どうしても寒色の雲がどいてくれない

きりきりふーふうと風
ひとりのここで

私は腐らない


根を張らないからだ



ぴーころ


白い岩 聞いてるか
私も飽きてんだ


自由詩 クジラちゃんの赤肉の血 Copyright KETIPA 2010-02-06 21:49:49
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