春の薫り 
服部 剛

世を去った友を追悼して 
一昨日おとといの夜、朗読会の最後に 
友の詩集を開いて読めば 
何処からか、今も僕等を励ますようで 
詩友達は密かな約束を胸に、家路に着いた 

昨日の朝、目を覚ました 
パソコン画面の写真には 
いちめんの菜の花畑の向こうに 
薄っすら富士の姿があり 
僕はこころに、呟いた 

( 今頃君は、桃源郷に・・・ ) 

今夜、「草地の時間」という本を 
ランプの灯る 
机の上に開いたら 
いちめんの菜の花畑の挿絵があり 
僕は余白に、言葉を添えた 

菜の花は、冥土の人の化身かな 
春風に舞う、この世への声援エール








自由詩 春の薫り  Copyright 服部 剛 2010-01-24 21:15:02
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