いじわる
暗闇れもん

睫に触れるしずくにまで嫉妬していた

外は雨が降っているらしい

冷たい手のひら
コートから湯気がたつ

ベッドから身動きもせずにそっと盗み見る

ソファーに腰掛けて
上着や靴下は無造作に脱ぎ捨てられた抜け殻のよう

明日になればまた新しい殻をかぶり
外へと飛び立っていくのでしょうね

小さなテレビの音に、もれる光の渦
泡のはじける音につづいて、喉がなる


そうっと近づく
アルコールのにおい

しずくが落ちて
頬をぬらす

つめたい
あたたかい

あったかい

おかえり








自由詩 いじわる Copyright 暗闇れもん 2009-12-26 21:58:56
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