みなそこの こうえん
たりぽん(大理 奔)


いつも踏んでいる
カゲ、自分の暗闇
それを許すことは

ひなたとひかげの境界線
いつもひかげの側で
忘れてしまおうとする

冷たい金属にひたいを当てる
なにかに熱を伝えたくて
僕は冷えてゆく

許すことは忘れることではなく
忘れられないことが悲しいことでもない
ただ、ゆれるのだ

 激しい光源の先に廃屋がある

うしなうとはなくすことではなく
もう出会えないと
気付いてしまうこと
冷たい水に足を浸す
溶けることのできない体は
融かされようとして

僕は冷えてゆく



自由詩 みなそこの こうえん Copyright たりぽん(大理 奔) 2009-12-20 21:50:56
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