夏の縁
ススメ

夏の縁を走る車窓のスライド
途切れ途切れの堤防の上
影を無くした雲たちが
空に溶け切れず沈殿する
銀色に眩しい床に脚を伸ばせば
車音の波にすくわれて
すぐに溺れてしまうだろう
もたれ掛かった緑のシートは
傾げた日差しに濡れている
カーブに頭を押し付けると
枕木の鼓動が心臓を叩く
もう暑くもないガラスは
風の強さを教えてくれる
駅で人が入れ替わると
どこからか冬の話が聞こえてきた


自由詩 夏の縁 Copyright ススメ 2009-09-14 14:45:14
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