夜の拳 
服部 剛

誰もいない家の 
ベッドに一人横たわり 
イヤフォンを耳に入れ 
励ますような 
君の唄声を聴いていた 

窓から吹き込む夜風に 
カレンダーはざわめいて 
めくれる暦の隙間から 
無数の数字が、こぼれ落ちていた 

やがて目覚まし時計が鳴り 
僕は、身を起こす。

手の平を握りしめて  
昨日迄の弱い自分の姿を砕くように 
時間を、止めた 

スタンドのに照らされた、夜の拳。








自由詩 夜の拳  Copyright 服部 剛 2009-07-31 22:19:53
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