剥き出しの無防備な
maynard

未来が広がっている
道標など無いその空間は虚無とも似ている
自由が広がっている
真っさらなそれはゼロに近しい

約二年前に得た自由は迷路だった
迷走し瞑想し
自分を保つ事すら意識を集中しないと危うい状態だった
共感も助言も得られる人物は周りには存在しなかった
ある意味孤独だった
ある意味孤高だった
その優越感に救われた
それは不潔な精神だ

ある意味潔癖症とも言えるその精神は
日々の毒が蝕んでいく事が明らかだ
潔癖と言う弱さがなす所業ゆえに
心の汚染が加速した様に感じる

汚染度が高い心では誰も愛せない
疑いが渦を巻き
黒いものが影を落とす
荒んだ世界が広がり
絶望の断崖を望む
こそばゆい様な気持ちは消えうせ
恐れが支配をする

これは術なのか侵食なのか
不思議と冷静だったり
むしろうろたえて考えを張り巡らせているのかも知れない

今でも記憶に当てられキメ返しがやってくる
今日の様な日がそうだ
誰も傷つけたくない
だから自分が傷つかなければならない事も
承知
でもそれは荷が重すぎた
そんなに立派な人間じゃない
誰かに抱いて欲しい
誰かに包まれて居たいんだ
安らぎが欲しいだけなんだ

安息の地は移ろい易いもの
旅人の様に浪々と流れて
またそっと抱いてくれる人を探さなければ
今はただ歩みを止めないこと
一歩でも先に広がる世界を夢見ながら

どこへでも行けるはず
誰だってそうして来たはず
まだ留まる訳にはいかない
それは終わりを意味しているから
誰かに終止符を打たれるぐらいなら死を選ぶ
幻想に惑わされないように
必要とされるその日まで

嘆きの岸壁も越えて
絶望の断崖も飛び越えて
空が自分を受け入れてくれるまで
地を這いもがいて
交尾をして実感をして
感じたままに残して
証を見つけて
一瞬の煌きを永遠に感じて
有限とも感じるこの命を無限に美しく彩って行こう


自由詩 剥き出しの無防備な Copyright maynard 2008-06-21 04:19:40
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