8枠7番
或本仲一朗

華麗なスタートダッシュしてみたはいいものの
第一カーブで勢いあまりこけた
厄介な事に俺は他人をも巻き込み派手にこけて
賭けていた人々全てに反感を買う

良くも悪くもこの走り(せいかつ)になれて
良くも悪くも素の自分に戻っていく
どうせ俺はそんな人間なんだよ

それでも君はこの俺に賭けてくれるのかい?
もう引き返せないところまで来ているけど
少しでも君に俺は応えてあげられるのかな
せめて掛金分を元に戻すくらい

君に逢うたび自分の弱さ思う
間違いなく癒されもする
そんな現在でそれなりに満足してる
そんな現在から変わらなくてもいい

良くも悪くもこの速さ(にちじょう)になれて
良くも悪くも次の自分に変わって行く
どうせ俺はそんな人間なんだよ

どこまで周回(ひび)は続いていくのかなぁ?
もう引き返せないところまで来ているけど
終わることはいつだって出来る
だけど君と俺が望む限り走り続けよう
君がこの俺に賭けてくれるのなら
少なくともこの出走(くらし)に意味が生まれる
少しでも君に俺は応えてあげられるのかな
せめて君が傷つかないくらい
せめて掛金分を元に戻すくらい


自由詩 8枠7番 Copyright 或本仲一朗 2004-07-11 08:13:02
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