やおよろず
佐々宝砂

クソの上に座っちまったんだよ、
それで頭に来て、岩に隠れちまったんだよ。
豊葦原の千五百秋ち い ほ あきの瑞穂のくにの、
お天道様は岩戸に隠れちまったんだとよ。

たかがクソでさあ。
お天道様が隠れたんだから、もちろんみんな困ったさ。
お天道様を岩戸から引っ張り出すために、
ストリップを踊った女がいたってのは有名な話さね。

豊葦原の千五百秋の瑞穂の地では、
やおよろずのカミサマがいるから、
何にだってカミサマがいるさ。

雪隠にもカミサマがいるさ。
臭いドブにもカミサマがいるさ。
クソの上にもカミサマがいるさ。


自由詩 やおよろず Copyright 佐々宝砂 2008-04-29 23:36:56
notebook Home 戻る  過去 未来
この文書は以下の文書グループに登録されています。
創書日和、過去。