朔太郎さんへ
fomalhaut

朔太郎さんよ
あなただけだ 分かってくれるのは
誰も僕の気持ちを分かってくれない
なにを話しても無駄だ
あいつらは僕のことを馬鹿にするが
馬鹿なのはあの汚らわしいあいつらの方で
それ故に僕の苦しみが理解できないのだ
でもあなたは違う
あなたの詩を読むたび涙が出るよ
ありがとう
友達も家族も恋人も僕のことを分かってくれぬが
あなたはいつもあの物憂げな顔で
僕の話を聞いてくれる
あなたは苦悩をこねあげて
あの素晴らしく美しい世界を築き上げた
行き場所のなかった僕に
唯一の居場所をつくっておいてくれたのだ
うるさい声も聞こえてくるが
あいつらは実におめでたいやつらで
僕らの世界には決して入ってこれない
今はこうしてあなたの世界に住まわせていただいているが
いつかは僕も自分の世界を築きたいと思う
それまではどうかお願いだ
僕をあなたのところへかくまっておいてほしい
本当に感謝している
あなたがいなかったら
僕は今頃どうなっていたことか


自由詩 朔太郎さんへ Copyright fomalhaut 2008-03-06 22:42:47
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