ライズ・ダンス

忘れてしまえるくらい
に だけ
触れてほしい耳たぶの
熱にも
きちんと そよぐ
こうへいな風は
そこここにおとずれて
猫の鈴や
窓を
鳴らし
合図をする

カーテンは
ふ と
舞い上がり
視界をひらいていく


食卓の上では
さかな も
わらうよ
てれびはとても単純なからくりで動き
きのうとにているたんごが今日も
宙をいきかう
かんさんとする
駐輪場にも
夏が降る
ような
あさやけのにじみ
ハンドルの銀色にはんしゃする
金色の太陽が
プリズムに 踊るよ
きみのくちびるのかたちも
忘れてしまえる
まるでここはちきゅうだね
どうしたってここはあさなんだね



まぶしさに
ふるえて ないた
鳥たちも
手を合わせてうたえる
今日は
てくびにすり込む香水の
けいかいなりずむで
うんとすてきに
ステップを踏もう

ほら もうすぐ
いちばんめの汽笛も
高らかに声をあげて
とうめいな街から
走りだす


自由詩 ライズ・ダンス Copyright  2004-06-21 16:29:52
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