スノードーム
あおば

           071212
 

パン焼きの片栗粉
フライパンのごま油
ぷかりと浮かぶ
波の上の波の花
ふわりと漂う
とっておきの風来坊
焼き蛤の匂いを追って
どこから来たのか
片栗粉のからくり野郎は
くすねた酒粕を桶に詰め
天秤棒を筏に組んで
一本柱の帆掛け舟
運に任せる泥棒旅よ
  (蝶々が
  (忘れたように
  (帆柱の海峡の
  (てっぺんに
  (停まっていると
酔狂な韃靼人
オーケストラの
タクトを振った
沈着冷静
尾白鷲のイーゴリ公は
敵襲恐れず軍鼓を鳴らす
でたらめ野郎の物語り
お城のつもりが舟になり
スノードームも出来上がり
いい加減な雲も出て
話の途中で雪が降る

時間の無いのが口惜しいと
睡眠不足のお父さん
話の途中でお眠りと
優しい目をする日曜日
くるりと囲むこどもたち
スノードームで目を覚ます






タイトルは「poenique」の「即興ゴルコンダ」より



自由詩 スノードーム Copyright あおば 2007-12-13 09:54:00
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