晩夏の指先に
たりぽん(大理 奔)


息をひそめて
(葉も揺らさぬように)
焚き火が揺れる

煙の中でも煙草を吸う君は
跡形もない言葉のままで
髪先を星座に投げる

傷跡だけを残すために
遠くの峰でわき上がる
季節の終わりの雲よ!

ああ、いますぐ
晩夏の爪になれ
私よ





自由詩 晩夏の指先に Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-09-06 23:08:48
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