忘れたくないから
たりぽん(大理 奔)

届かない、ところへ
ささやく
あきらめではなく
染め抜くように
静かに
いちばん遠い胸の奥で


  月夜をおぼえているかい?
  欠けた鏡のまぶしさではなく
  影の地平から昇った
  青白き三等星を

届かないから
胸の痛みの奥で
繰り返す
忘れてしまえば終わる
それが
あなたとの

  誰にも気取られずに
  永遠に刻みつける
  烙、私だけの




自由詩 忘れたくないから Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-09-06 00:10:01
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