冷やし中華終わりました。
あおば

                  070830




南の風に紅い旗がバタバタと
アブラゼミの騒がしい群れが
大手を振って街角を占拠する
懐かしい夏の風景と
酷暑が去ったふりをする関東は
反省の季節になったふりをして
夏休みの宿題に追われる息子たちが
いつものように
脂ぎった夜食をねだる
塾帰りの中学生の群れも
一杯180円のラーメンを求め
ラーメンチェーンに押し寄せる
親子の断絶なんてと言いながら
チェーンの切れたバイクに跨り
親子2人で丘を下るようなもの

エンジンブレーキが利かないから
ハンドブレーキだけが頼り
スピードを落として
無事に降りられるか
ハンドルを切り損ね
断崖から真っ逆さま落ちるのか
悪いことを考える
想像するのもおぞましい光景が
疲れがたまった日常の終わりに
目の前にちらついて立っていられない
椅子に腰掛けても
夏ばての胃にはなにを食べてよいやら
迷ってしまいますが
冷やし中華は税込み399円なので
本日の予算オーバー
終わりましたと呟いて
いつものラーメンを頂いて
ポケットの中身を確保して
チェーンの付かない
原チャリの燃料を確保する





自由詩 冷やし中華終わりました。 Copyright あおば 2007-08-30 22:58:42
notebook Home 戻る  過去 未来