欠陥
あおば

                 070830


大きな声で
欠陥と叫んでみる
完全なものなんて
どこにある
ここにあるなら
見せてみろと

銀色の風船がヘリウムガスに載っかって
天井付近を漂っています
どこかの子供が飛ばしたのだと
通る人ごとに考えるけど
泣きわめく子供が居ないから
単なる想像に過ぎないとも思う
証拠がそろってないから無効だと

銀色のテープを貼って
非常口を塞ぐ
電気が伝わるから
危険防止にもなると
十文字に貼ってゆく
これは仕事だから
定刻までに済ませないと
明日の予定に影響が出ると
何度も念を押された

銀色の空に
金色の月が
ぼんやりと
漂っている
子供のための絵本
銀色を使うのは
難しいと作者は思う

ギンイロギンイロ連なって
ギンヤンマが空を飛ぶ
紅い風船が何処までも追いかけて
秋の空は高く
羊の雲も群がって
何時までも食べ続けていて
飽きることがないようだ
銀色の宿題を忘れたままで
大人になってしまい
慌てているのが現状です
銀紙で丸く包んだチョコレートに手を伸ばすのは当然だと気がついた。



自由詩 欠陥 Copyright あおば 2007-08-30 02:31:51
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