ケレド
アマル・シャタカ

ぼくはひとから無力だといわれたので
無力をぶきにしてみました
みんなが笑いました
無力をぶきにすると
ひとを笑わせられることをしりました
神さまありがとう
ぼくにともだちをくれて
あ、いけね
それはラスカルだ

ぼくは暗い顔だということで
家族にはなぜかきらわれていましたが
かわりにお葬式にでたら
こんなにかなしんでくれてありがとうと
お礼をいわれてしまいました
かなしい顔だったんだ、よかった
心でそうよろこびましたが
お経をきいていると
なんだか、ぼく、ねむくなってきたよ・・・・
パ、あ、いけね、フランダースの犬でした

めんどうくさいというので
剣道をしているとくさいのですね
とまじめにこたえたらなぐられました
剣道はくさいのではなくて痛いのでした
半べそをかいていると寄付をしてください
というひとがきたので
お金のないぼくはおてつだいすることにしました
いまどき感心な子ねえとほめられました
お金がないことでほめらることもあるものです
お母さんにそのことを教えると
「ふびんな子ねえ」と
なきながらよろこびました
ふびんはちゃんびんかもしれませんが
ないているぐらいなのでよっぽどうれしかったのです

ぼくのすきなテレビをみています
マルコというこの女の子は
ぼくのしっているかぎり
おかあさんをたずねて旅にでるはずなのですが
きょうもげんきにあそんでいました

あ・・・・


自由詩 ケレド Copyright アマル・シャタカ 2007-06-11 21:15:39
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