再生
海月

中途半端な定義を読んだから
それの影響を受けて
妙な選択を繰り返す
自分はどの選択肢なのだろう
不安と期待で本を捲る

蝋で出来た模造品の翼
真実の熱で溶け始めて
嘘は少しだけ液体になり
足元に滴り落ちる

閉じ込められた理性
年功序列の日本の秩序
常識とは名ばかりの非常識

潤いを求め彷徨う旅人
砂漠の中で静かに砂が飛ぶ
遥か向こうに希望の明日が浮かぶ

振り返れば絶望が並んでいる
二足歩行の脳の限界に悩まされて
その度に失った大きさを知る

囁く声は生死の狭間を行き交い
世界の大半は至福と憂鬱を味わう

名も知らぬ少女の歌声

破滅の後に産まれてきた
私達の存在に意味はなく
だが、存在しない意味もない


自由詩 再生 Copyright 海月 2007-06-10 01:25:29
notebook Home 戻る  過去 未来