クリスマス・イブ
板谷みきょう

クリスマス・イブの十二月二十四日は、私のたんじょう日です。サンタクロースが、子どもだけにプレゼントをしてくれる日です。9さいのたんじょう日の時のお話しです。おとうさんのおとうさん、私のおじいちゃんは、しんぞうのびょう気で入いんしました。

十八日に、おとうさんとおかあさんと、いもうとの鳩と私は、びょういんに行きました。びょういんには、おとうさんの兄弟の、チエちゃんのおとうさんと、アヤちゃんのおかあさんのこずえおばちゃんたちがいました。おばあちゃんもいました。いろんなけんさをして、おじいちゃんはしゅじゅつしないとなおらないことを、おいしゃさんからせつめいされたのです。お話しのあいだおかあさんと鳩と私は、アヤちゃんやショウゴくんと、まっていました。しゅじゅつは、することになりました。おじいちゃんのしゅじゅつはたいへんなしゅじゅつなのに、おじいちゃんは、さいしょからするときめていたのです。

二十四日の私のたんじょう日がしゅじゅつの日にきまりました。その日、おじいちゃんは、「ちょっとはやいけど…。」と、サンタさんみたいに、クリスマス・プレゼントをくれました。私たちひとりひとりに、プレゼントをくばるおじいちゃんは、その時どんなことを思ってたんだろう。プレゼントは、ほしかったゴマちゃんのプリンターでした。鳩はミッキーマウスのミニーでした。おじいちゃんは、「海のたんじょう日に行けないけど、大きなケーキ買ってるからたのしみにしてるんだぞ。」と言いました。

おかあさんのじっ家のニセコの帰り、二十三日にびょういんによって、おばあちゃんといっしょにみんなでケーキをとりに行きました。その時、みんなでごちそうを食べました。私にスープののみかたや、ナイフとフォークのつかいかたを、おばあちゃんは教えてくれました。そして、「また、こんどつれてってあげるね。」と、言ってくれました。

私のたんじょう日と、おじいちゃんのしゅじゅつの日の二十四日の朝、おじいちゃんにあいにびょういんに行きました。私は、学校のしゅうぎょう式でおじいちゃんにあえませんでした。しゅじゅつは、朝十時から夕方の六時までのよていでしたが、夜九時すぎても終わらない十一時間いじょうの、大しゅじゅつになりました。夜は家でたんじょう日をしました。おとうさんは、とうちょくでいませんでした。おじいちゃんからもらったケーキのはこをあけると、うみちゃんへたんじょう日おめでとうと、書いてある大きなチョコレートケーキでした。

二十五日の朝、サンタさんのプレゼントがとどいてました。セーターとかがあめる、おりひめというきかいでした。おとうさんが帰ってきて、ケーキを食べました。おとうさんは「あまくて、むねがやける。」と言ったのに、ケーキをいっぱい食べてました。その日から、おかあさんといっしょに、毎日おじいちゃんのおみまいに行きました。

二十八日に、部屋がかわってやっと私は、おじいちゃんにあえました。「おじいちゃん、いたい。がんばってね。」と私は言いました。おじいちゃんは、私の顔や、ふくを、なぜながら「いたい。いたい。」と言ってないたので、びっくりしました。私は、おじいちゃんがかわいそうに思いました。

お正月の一月一日に、おじいちゃんにあった時は、おじいちゃんはむねを、とってもいたがりました。おじいちゃんは、しゃべれないで、したをならしました。おばあちゃんが、「海に、水をのませてほしい。っていってるんだよ。」と教えてくれました。私は、水をおじいちゃんにのませてあげました。お正月もすぎて、六日におじいちゃんのお見まいに行った時、ベッドにねたまんまのおじいちゃんは、私を見て「海の顔を見ると、なけてくる。海、やさしい人になるんだぞ。」と言ってまたなきました。私は、おじいちゃんと手をつないで、またかわいそうに思いました。

十八日に、サンタさんのかわりに、クリスマス・プレゼントをくれたおじいちゃんは、しゅじゅつの日の二十四日に、ほんとのサンタさんから、とっても大切なクリスマス・プレゼントをしゅじゅつをしてる時に、もらったんだろうな。サンタクロースなんていないとか、子どもだけしかプレゼントをあげないとかいうけど、ほんとは大人でも子どもでも、だれでもみんなが、おもちゃとかじゃなくても、目に見えないやさしい心をサンタさんはプレゼントしてくれるんだろうな。 おじいちゃん、はやく良くなってね。 おわり


散文(批評随筆小説等) クリスマス・イブ Copyright 板谷みきょう 2007-05-21 21:53:51
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