味源
板谷みきょう

有楽街の小便通りを右手に曲がると
ひなびた並びの中にあるお店
Oh ヘンリー
久し振りだね聞かせておくれよ
JOHN COLTRANE
客は悪いがオイラ一人さ
今度はヤツも 連れて来るから
憧れのNew Orleans
夢見ながら
語っておくれ尽きない話を
いつもの味源でさ

*

雨降りしのぎにのれんを分けて軋む戸開ければ
パイプをはずし笑顔で迎えてくれる
Oh ヘンリー
今夜もまた聞かせておくれよ
JOHN COLTRANE
話は弾み気分は最高
いとしいあの娘も 連れて来ようか
いつかやりたいフルバンドに
夢はせて
語っておくれ尽きない話を
いつもの味源でさ

*

Oh ヘンリー
そんなのいいから聞かせておくれよ
JOHN COLTRANE
いつかオイラも唄ひとつで
一山当てたら みんなで来るさ
その日が来るまで楽しみに
夢見ながら
語り明かそう尽きない話を
いつもの味源でさ


自由詩 味源 Copyright 板谷みきょう 2007-05-16 22:34:22
notebook Home 戻る  過去 未来
この文書は以下の文書グループに登録されています。
にちじょうの、あれこれ。
弾き語る歌(うた)の詩(うた)