ライナー
黒山羊

夜明け前 高速バスは世界の果てを追いかける
霧に囲まれた箱庭の上
君の現れる街まで

冷たい風に転がる くしゃくしゃの新聞紙
大きな流れに 少しだけ 寄り添って

帳が降り 狭い階段を抜けて
砂嵐の洗礼を浴びる
祭場では いつもの神憑り
やんちゃな童心の遊び場

同じものに笑って
異なる苦しみを抱えて
暗雲を越える翼を
それぞれ持ちながら

笑顔で その日も 終えられたら
再会の握手を もういちど硬く

霧に隔てられた街で 打ち上げ花火で語り合う
溢れた火花に紛れた 君の涙が 僕の街に届いたなら
偽りに塗れた僕は 汚い手で 抱き締めよう


自由詩 ライナー Copyright 黒山羊 2007-03-25 18:10:03
notebook Home 戻る  過去 未来