みなわ

あんまり上手ではないね
すぐに 散らかしてしまうもの ね



タプン
跳ねる音を合図にして
東京のすみっこ
ふたつ
重ねた
ひらひらと尾をふって
水泡を吐いて
重ねて
しまったから
もう どこにもいけなかった

ときどき
コーヒーのにがいのを飲んで
三階の窓からねこの公園を見下ろして
笑って
吐いて
そして ねむった
風がこわい夜は窓をしめた
いつか
窓はあかなくなった



風は止んだ
まぼろしのような春も いった
ぐるりとまわる三百六十五のすがらに
また水泡を吐くときがくる
もう 散らかさないで
だんだんに吐く よ
もう




めをつむるとふくらむ
眼球のぽこんとしたところが
どこまでも走っていける
地図みたいな青い筋が
とても とても
好きでした



自由詩 みなわ Copyright  2004-04-22 22:23:30
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