予感

ふぞろいな前髪の
整列にかかる
風のみちゆきを
ぢなりのようなうたをうたい
散らしていった
まるくとがった あの唇

おしあたった瞬間の
確かな熱の重さも すい と
運び


この足は
きがつくと
最終の電車にも
乗り遅れてしまった


あなうんすの聞こえないホームに
立ち竦む
上からほろほろ降りくる雪は
さんざめき 流れまた
地へとしみてゆく
ごまかせないほどの静かな速度で



そうして
声もあげず
まぼろしのような春 が
目を覚ます

きっと
などとは 言わず



めをあげれば
陽に透かされたうぶげに
まぶしい顔をしてしまう


自由詩 予感 Copyright  2004-04-17 21:32:24
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