凪いでる 凪いでる
ここはがらんどうの海
無風世界


石をちりばめる
空にちりばめる
ゆびさきがぬるい
目にしみる涙
んっ んっ
母をよぶみどりの子


宛て先な ....
銀色の夜空に青い蝶が舞う。
夢色の花束を抱えた男が待ちくたびれて黄色い吐息を漏らす。
愛を孕んだ白い月から茶色い影が覗く。
訝しがる男にあきらめの色が重なってゆく。

蟇の戯れる川辺に星 ....
朝時雨海を見下ろす展望台  

何時の頃からか詩が化けている
病身の助けになればと書いてみた
介護詩は気味の悪い怪語詩に
看護詩はよく解らない漢語詩に
理学療法詩はまさかの自爆消防詩だ
イガ栗養蜂詩になりたいと打 ....
夜からの雨は
屋根を洗って海へ抜けた
わたしは誰もいない店で
外で吠えている犬の声を聞きながら
小僧のように座っている
なにもすることがないとは
お客が来ないとは
本当にかなしいものであ ....
水底につづく階段
溶け残るつらら
午後を咬むつらら


羽のしぐさ
空のひらき方
指をのばして
そっと試して


ひとつだけだよ
裏通りの声
違う人の 同じ言 ....
はんなりと八手の花や金閣寺 黄昏の街を駆けて行く影法師
眩暈にも似た既視感に
いつまでも立ち竦んでいた
きっと夜はまだ遠い

*

退屈な雨の午後
迷宮のような街を眺めていた
陰鬱な気持ちを弄ぶように
霧雨が ....
草原を照らす月を眺めていた グレイハウンドバスはバーモントの月に似合っているし
僕に煙草をおくれよ まだポケットに残ってる筈さ ねえ君

僕たちは広いこの世界を放浪してきた 旅の終わりはいまだに ....
サックスの朝顔菅や半夏生 大きな庭より素敵な小さい花がある トーストセットを注文すると
今は春のキャンペーン期間中だそうで
赤い三角くじを引かされた
「お目出とうございます。当選です」
グラマラスなウェイトレスが言うには
姪っ子が一人当たったのだ ....
平和な殺戮は淡々と行われる
青臭い血の匂い 寡黙な絶叫
ゆるやかな風は心地良く運ぶ

住居を追われ逃げ惑う虫たち
ピンポイントで狙いを定める
鳥たちは戦闘ヘリ

うららかな陽射しの ....
スナメリのjoy 軽やかに
おおきな気泡のフープをくぐる

うたた寝している青の真ん中へjoy
まあるいあくびを一つ落っことしたら
とたんに アオウミガメのtoy joe
こぽりと抜けて一 ....
アロハシャツ巨大迷路で四苦八苦

夕涼みあのわだかまり消えていく

冷し酒冷静になり仲直り
きっと夏の晴れた日の朝には
水を求めて何処かの
乾いた草原で
遊牧民族が
馬や山羊たちとともに
次の場所へと
引越する支度をしている

地球の反対側とつながる
国境の意味が
なくな ....
  草の皿に
  いっぴきのいなごがとまっている



  ぼくはいつも色んなことを
  すぐに駄目にしてしまう
  砂団子のように丸く脆く
  君への思いを胸のなかに固めて
 ....
 
路地裏を通り抜ける豆腐屋のラッパは
夕暮れによくにあう

かくれんぼの時間が削り取られて
ひとり帰り ふたり帰り 
隠れたまま鬼から取り残さて
気がつけば夕闇につかまっていた
どこ ....
波音にとける言葉を汲み取って砂に名前を書いたりしない ポプラが空を掴む
悲しみにざわめきながら
母の袖を引く幼子のように

風の指先がかき分ける
激しく 優しく
トランスする巨人たち

幾千万の囁き
言の葉は巻貝を廻る
古の涙から ....
コーヒーを飲んでいると
窓に伝書鳩が降りてきた
うん? 私に宛てて?
指にパン屑を乗せて差し出すと
小さな嘴でせわしく啄ばんでくる
ふふ 可愛いやつ
光沢のある胸を撫でてやると
クク ....
竜骨座の主星カノープス 大小のマゼラン星雲 月に遊ぶ人魚 南天の星々は僕を魅惑する

散文的な日常 それも嫌いではないのだが 僕はほんらい空の生き物らしい

ただ地上では羽をもがれたバッタのよ ....
さみだるる音楽堂に悲愴かな 少し横顔を見せただけで
思わせぶりに去っていく夏

雨が 家々のトタン屋根から
ライラックの葉の一枚一枚から
信号機の黒ずんだカバーから
夏を洗っていく

雨が 夜更け ....
ひたひたと
ありったけの水を吸い上げ
あおく 
あかく
丸く
咲く

装飾花は結実しない
ただ
水をひたらせる

小雨
大雨
さみだれ
にわか雨
夕立ち
根拠のない憂鬱 ....
「夜の色は、黒じゃない。
限りなく、深い、青だ。」
かつて私にそう言った彼は、
今、病院の、鉄格子のついた窓の向こうにいる


誰かに許しを請うために、痛めつけた己
ただまぶしいばかりの ....
トウキビの葉がゆれている
昨夜の雨に濡れたまま
まだ膝くらいの高さだが
すぐに背丈ほどにもなるだろう

トウキビはうまい だが
そんなに食べたいとは思わない
年に一度も食べられれば十分だ ....
ポーチュラカって なんだか いいよね 
ポーレシカポーレ みたいで さあ
ポーチュラカって 日照りに強い花だよね
ポーレシカポーレ は ロシアだけどさ

沖縄って なんだか いいよね ....
コーヒーショップに夏が来て
向かいの席の女子高生が
ブルーソーダを飲み始めた
青い液体をストローでチュー
コップの中身が減っていくにつれ
女子高生は足先から海になっていく
水位は下腿から太 ....
飛行機雲

空を裁つ間に

霞みゆく 

澄み渡る青は

とめどなく


渦巻貝

海を嚥下し

淀みゆく

溢れ来る波は

とめどなく


夕列 ....
佐東さんのおすすめリスト(175)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
即興、子どもの情景- あまね自由詩1313-7-7
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店番- 春日線香自由詩713-7-5
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はんなりと八手の花や金閣寺- 北大路京 ...俳句1*13-7-3
ため息- 未有花自由詩24*13-7-3
草原の月- 梅昆布茶自由詩13*13-7-3
サックスの朝顔菅や半夏生- 北大路京 ...俳句213-7-2
大きな庭より素敵な小さい花がある- 北大路京 ...自由詩713-7-2
春のキャンペーン- 壮佑自由詩9*13-7-2
草刈り考- ただのみ ...自由詩24*13-7-1
まほろば- yuez自由詩4*13-6-30
アロハシャツ- 夏川ゆう俳句113-6-29
ジャックされた夏の断片- りゅうの ...自由詩7*13-6-29
いなご- 草野春心自由詩513-6-29
日暮れ刻- イナエ自由詩25*13-6-27
波音にとける言葉を汲み取って砂に名前を書いたりしない- 北大路京 ...短歌713-6-26
風と踊るもの- ただのみ ...自由詩19*13-6-26
風と共に去りぬ- 壮佑自由詩17*13-6-26
南十字星- 梅昆布茶自由詩1413-6-26
さみだるる音楽堂に悲愴かな- 北大路京 ...俳句313-6-25
夏の横顔- Lucy自由詩22*13-6-25
水の器- そらの珊 ...自由詩17*13-6-25
透明流星群- 有無谷六 ...自由詩3*13-6-23
とうきび- ただのみ ...自由詩20*13-6-23
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石狩挽歌- 壮佑自由詩11*13-6-21
とめどなく- 中村 く ...自由詩5*13-6-19

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