わたしの球体はふくらんだ。

ト音記号をまず描いたように、

カンバスには出鱈目な刷毛の何塗りか、

(おぼえていない……p)。

砂丘を越えて。いつだって、ラクダはたどり着いて……
 ....
[ ── ここからモノクローム ]

の た め に 立 ち 上 が っ て 青 空
か す か な と ど く ほ ど 耳 ま で
ざ っ く り と 雪 割 っ た 悔 み の
人 知  ....
割れた鏡の破片を踏みつけた朝、床中に広がる、真赤な俺の血液、足首をきつく縛って、軟膏を塗り込む、幸い破片は表面に浅く残っていただけだった、鋭い痛み、何をするにも億劫、特別な予定も無いのでその日はじ .... 何かを思っている時の憂鬱な夜。昼の街はひどく暑すぎた。麦茶を飲みすぎてしまうぐらいだ。それとも、飲みすぎてはいないのだろうかと昔訪れたフランスでのできごとを思い出して、その景色や人やもののことを思い浮 .... こうべをあげて
青い空が広がって
静けさが辺りを包んでいく

昨夜の恐怖と奈落の底と
窮地を脱して迎えた朝に
廻る球体は光りを投げ掛け
今日の救いを差し伸べる

静けさが満ちるこの朝 ....
   *

 たとえばあのひとが、
 ひとにならず、
 辞そのもので
 あったなら、

 花のために悼む 星が乱反射する路地裏で あのひとの詩を見かけた、年号のない日付 あまりにもおれは ....
 シーアスパラガスというものを見つけて身請けした。イスラエル産らしい。
 植木で見るような、ガサガサした葉で、初めて見たとき「なんかえぐみが強そうだな」と思った。完全なる偏見であることは後に判明する ....
  青空はずっと振るえている
  時が かげになって路にこぼれてくる
  壁のうえにそっと 黒い木が枝葉を撒く

  思うということ
  街にいくつも街を重ねていくこと
  あなた ....
話しそびれてしまって浅い水路で風がわらう


ぼくたちのてのひらで火傷した蛙の


フリーズと


ラケットを肩にかけた生徒たちが


それぞれの家に帰る


ざ ....
そこから見れば
快晴にしか見えないのだろうが
ここから見れば
ひとしきり土砂降りのような悪夢

手渡しておくべきだった
 吹き荒れる直後の懺悔も
 ほどなく形式的な表層に漂着
代案 ....
居場所がなくなって
途方にくれてしまいかけてる

キスなんて一度か二度しただけ
そんな唇を舌で舐めても
そりゃ渇いているだけさ

日は落ちて
周りは昏くなっていく

ためしに心臓止 ....
ロザリーは十五才
廃業したスクラップ工場の敷地の外れで
ハーケンクロイツみたいなかたちになって転がってる
もう腐敗が始まっていて
あらゆるおぞましい虫に集られて喰われている
ささやかな雨 ....
学校から盗んできた椅子は
そして 今も部屋にある
それを自転車にのせて走った日
何も考えていなかった 僕は
深淵はもう飽きました
表層に憧れてます
うらぶれた地質学に小さな納屋を建て
夕陽のことを考えて、戒名と共に暮らす
昨日の事を今日のように話す家畜と
生活の匂いのしない長さと
大小の容れ物に ....
さよならのかたちして
かもしかは
ゆうまぐれ
町を歩く
ときどき
立ち止まり
思案して
また
歩きだす
かもしかの
梢とも
灰ともつかぬ毛
硬い毛
そのきわ ....
暗い湖に朦朧と沈む膨張した死体の夢
網膜のなかに書き殴られた最期の詩
叫びはふやけた肉体に阻まれ
二度と出られぬまま溶解して流れ出る
いつだって午前二時
破裂と飛散を望むものたちが
内 ....
愛が美しい
言葉で語られ
手帳に書く時間も
ないくらい

肉体が支配する
頃にはもう

正しいレシピを
忘れたような
クリームシチューの
中にいるから

熱くて皮膚が
敏感 ....
怒れば父に似ていると言われ
黙っていれば父の父に似ていると言われ
笑っていると母に似ていると言われる
母方の田舎には老人ばかりで
外を歩けば何処のもんやと
わらわらと集まってきて
ほお、ほ ....
艶やかなバラも散る
やさしげな言葉と眼差しを添えて
去って往く喜びの日々

誇らしげなバラも散る
たのしげなギターとメロウな歌声
血のなみだ流す心の代わりに

うめつくす雪の空
一羽 ....
ハギワラだろうがオギワラだろうが
おぎやはぎのやはぎさんは矢を作る人
エアロスミスは宇宙の鍛冶屋


ジョーもジャックもジョーイの仲間
マリーもメアリーもマリアンヌの仲間



ポ ....
血なんて単純な道を流れてるから
つまらないな
迷いもしないし行き先をうしなったら
帰る場所しかみえないじゃないか



うすめたって飲めない話がある
うすめたからこそ飲めなくなったぬる ....
 その建物について、詳しいことは何も判らなかった、その土地を流れる大きな川の、河原から何も無い野っ原へと続く坂道に沿うように建てられた平屋造りで、右側の端に川を目指しているかのように突き出された正 .... あんまりこの手のライティングは得意じゃないんですが、文学極道で、「テクスト」という言葉の用法をめぐって議論になったので、「テクスト」という用語、および「批評とは何か」というテーマについてかんたんにまと .... ぐるり50センチほどの脳裏にある
あの日の、その場所に
もう行くことができない
がらんと口を開けた
灰色の校舎の入り口に立ちすくみ
背中からは夏の午後の日差しが
 ....
柔軟剤こっからうち、パジャマ安心だっこ、おかあさん!

おうちかえりたくて、こどもびょういんぬけだしたきみは、からだがよわいから、
夜の海あわだって、手、ひっぱられておぼれてしんじゃって、
砂 ....
政府はよく骨太の方針を出すが
ぬけぬけと骨抜きにもする
新しく入った男は肉厚の女が好きだと言った
肉だって赤身と脂身で違うだろう
体脂肪率は見た目では解らないさ
マグロに関して言えば赤身が一 ....
151016

透明な液体が
土壌に浸み込んで
悪さをするという
液体の成分は何なのか
放射性物質かもしれないと
口に出すのが習慣化して
そうかも ....
 中島恭二(島中充)
          プロローグ
気が付くと四角い格子の箱に入れられ菫の花に囲まれた駅前広場にいた。衣服を脱ぎ、こげ茶のタイツをはき、海水パンツをはき、広げると蝙蝠のようになる ....
宇宙では
孤独な水平線をゆらすことはできない
体脂肪を減らす緑茶
何の効果が得られるのか
わからないまま日々更新される人口の増減
ご安心下さい
と言う文字の横に
人の良さそうな誰かが
 ....
名付けなさい
君を縛る暗闇を
君を閉じ込める闇の正体を見極め
君自身が
名付けるのです

例えば
「コウモリ」
と名付けたら
君の闇からコウモリが
切りとられた影絵のように
現れ ....
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