生きるのは痛い
北風の切っ先
酷暑のサンドペーパー
でもこたえるのはむしろ 肉体よりも 心

人々は 視線の剣を結びあいながら
肩を怒らせて 通りを行き交う
道端の植え込み 鳥たちは 素 ....
勝ってどうする

この世のゾンビ

違和感のある前向きさ

未成熟ないのちのちから

勝ってどうする

この世のゾンビ


勝ちがあるから負けがある

黙ったまんまで
 ....
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最近不思議な夢を見る。
ぼくが眠ると夢の中のぼくが目を覚ます。
夢の中のぼくが眠ると現実のぼくが目を覚ます。
会社の会議中に居眠りをしている ....
早起きしトコトコ山を登り
見晴らしの良い場所で
うんと息を吸うと
朝の新鮮な空気に
満たされたような気がして

ぼぉうと吐きだすと
昨日までの
凝り固まったしこりまで
山の空気に流さ ....
取るに足らない枯木に
カシミア混の古いコートを着せて
目抜き通りのほとりで
タクシーを拾おうとしていた

通り過ぎていくのは
回送の名札を得意気につけた
ハイブリッドな北風ばかり
 ....
ない

時間がない

眠りがない

ことばがない

つく 嘘もない

打ち明ける 真実もない

積み上げる 思想もない

吐き出す 幽霊もない

絶叫する 空白もない
 ....
やけくそになった時 何がしたくなるか?
鏡の向こうに住む 男に聞いてみた
奴はこう答えた お前と御同様
欲しいのは自分を 変えてくれる薬だぜ

町の空はビルに塞がれ カラスの群れがゴミを漁る ....
昨夜わいわい
朝までざわざわ
朝の光が心軽やかにする

どこまでも行けそうだねと
笑い声がする

皆が帰り
皆が居なくなり

息づかいだけがそこに残り
そこに温もりがあったであろ ....
買えません愛がどこかで売ってても お金が無いし働けないし

拾っては捨てる神しかいないのか次は死ぬまで愛されてたい

本なんて読んでる場合ちゃうかった正面の席美女座ってる

右腕にマリコ命 ....
私は小学生の高学年頃
毎日日記をつけていた
それは思い出や覚え書きを残すためではなく
日記をつけ続けることに固執していたからである
そして書いていることは
何かの情景描写や感情表現では全くな ....

ある日の深夜

僕をじっと見る
餌の器をじっと見る
再び僕をじっと見る

知らんぷりして
パソコンに向かっていると
いつの間にか後ろに回り込んで
爪が出ていない肉球で
僕 ....
駅の明かり

そこからひとが吐き出されていた

皆なんらかの仕事を果たして

人生の主人公のような影をして

駅から遠ざかるために動いていた


歩きながらひとを愛した

からだを愛するには

遠すぎ ....
巨大な駅に降り
ぐるぐる同じところを何回もまわり
見上げれば
巨大なデパートが
たくさんそびえているわけだが
道路を渡りたくても信号機はなく
びゅんびゅん車が走っている

大きな歩道橋 ....
いつも私を見ているくらげは

どうしてそんなに嘘をついてばかりいるのかと

鈍く光る

私の中の嘘を全て吐き出してしまったら

なにが残るのだろうか

うすうす気づいてはいるのだけ ....
ぱらぱら降って
ころころ転がる
小さな白い粒々はあらあられ
掌すうっと冷たくて
口に傾け含んだら
なんだかお菓子のようで
甘くはないんだけれど
いつかの記憶がつまった氷菓子
淡くぼやけ ....
眠っているなんて嘘さ
眠っている時は
みな死んでいる

でも
それじゃ怖いから
眠っていることにしておくのさ

子守唄は
眠りの友達ではなくて
死の隣人だったのさ

死を知って ....
長い夜
君が眠れぬ長い夜
君が寝るまでお話し聴くよ

そうなんだ わかるよ君は悪くない 君の夢なら叶えてあげたい

娘子に生まれていたらすんなりと女子会行けた惜しくも男子

ひとり ....
短歌を超える詩が、あってもいい
詩を超える短歌が、あってもいい
詩人も、歌人も夜はおなじ寝床で肌をよせあって
眠るのだとおもう

今日はもうなにも書けなくて
はやくお風呂にはいってあし ....
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からっぽな心 / 電車の影を追って


電車の窓から外を見ると冬日の光の影が
併走す ....
苦しんだり悔やんだり

いまさら心をたてかえたって

どうにもならないような気がした

肩とおなかににちからをいれる

惨めですっからかんになってしまう


遅くはないさ

 ....
萎み始めた意識の片隅に
かろうじて立て掛けてある
ギターの絃はたぶん錆びついて
降り積もる時間に埋れている

僕の指は踊れないから
意味を探してしまうから
残念ながらギター弾きにはなれな ....
夜の通勤急行列車

ゆっくりだんだん蛇行しながら

「プシュー」と

最後に息を吐き出して一時停車

車掌さんのクネル声でどうやら信号待ち

皆も疲れて

「プシュー」と

 ....
子供の頃
古めかしい三面鏡が
部屋の隅にありました

木目模様の板に貼られた
三枚の鏡はそれぞれに
蝶番によってつながっていて可動式でした

普段は折りたたまれているのだけれど
ぱた ....
もしも神に出会ったら

すがり付くだろうか
狂った歯車を止めてくれと

飛びかかるだろうか
生きる痛みの責めを負えと

それとも

お茶に招くだろうか
穏やかな春の午後に

 ....
ぽっかりあいた
空洞は
ただ ひたすらに
まっている

「おかえりなさい」と
言う時を

夜の孤独は
しんしんと冷え
柱時計が時を刻む

ぽっかりあいた
スリッパの
空洞の ....
まっくらな森の中で

凍りついた花を

少しずつ溶かす月の明かり

決して優しくもなく暖かくもないが

あなたのためならばと照らす

ハノサキユビサキ

ハナビラクチビル

 ....
滞らず通わせた幸福もなく。

ODしたい気持ちだけあってビタミンCのサプリメントを飲み続ける。生きている白菜の光合成。光による何かの合成。すばらしいと思う。
蒸留酒をたらふく飲みたいなと思ってる ....
言葉はいつでも空回り
本当に届くのは一握り
悩み悩んで一回り
難しいことは浮かばないな

山手線の外回り
満員の電車で大あくび
一発逆転求めてる
そんなに上手くはいかない ....
言葉なんて
なんの役にも立たない夜があった
抱き合った体温が
生きている今を
実感する唯一の術であると
感じた夜があった

舌と舌が出会い
いくつもの嘘を従えて
口腔内で生まれ出た言 ....
わたしはロボットになりたい
身も心も疲れ果てたとき
気力を失い起き上がることすら儘ならぬときでも
いつもと同じリズムとトーンで
自分の務めを果たせるように

わたしはロボットになりたい
 ....
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