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隣りの海で 鯨が髭を磨いてる

海老が抜けない
ささらに破れた尾びれを揺らし
海老が抜けないのです、と

わたしも歯茎を押しひろげ
まぶされた砂をはらい

やせた少年がくらりと傾いて ....
ことば は 溶けている
いちどは 溶けて ただよう

ふわり と どろりと
ことば は 約束したり
裏切り続け

そうして 何度も溶けた ある日
うまれたばかりの 私は
つつまれただ ....
ひんやりと ビルの光の壁に沿って
次つぎ沈んでゆく白イルカ

隙間なくガラス 張り詰めた大理石
仮託して久しい本能 

暗闇に光るコバルト毒を呑み下し
冷却する 豊かなゴミ色とりどりの儀 ....
血液型のようなイニシャル
同じ時間を笑ったしあわせ

同じ夕日を 眺めた焼却炉の傍で
一番星を ヴィナスを指さして
雨の廊下を渡る時
図書室の扉を開く時
好きな娘に見られながら
私が部 ....
またお前が溌剌として空間を行き来する季節が来るよ
まだ蜜はまばゆい重みを湛えるまで熟してはいないが
やがてあらゆる明雪を終わらせる風の便りに指を開き
柔らかな触角で時が経てる悦びを弛まなく識るだ ....
耳をとざしたほうがいい
ことばを思わないでいいから
目もひらかず
ただ触れていたい
指で肩で舌で

そのからだの奥を覗きこむような
こまかな息づかい
一度は奪われた草木を甦らせ
半透 ....
あなたがひとをもとめるとき
わがこをはむめだかのようだ
あなたがさみしささがすとき
ふるえるくものすたまのよう

あなたがみかんをしぼるとき
あめつちふたたびめぐりあう
あなたがらっぱを ....
海硝子が集まる潮溜りがあるんだ
陽射をまといやわらかにおし寄せる汀
ひっくり返ったヨットを数え
貝殻なんかひろっていると
不意に気が遠ざかる

雨になれば走れなくなる白い電車が
通う島に ....
 おおきな
 朝日を 笑いながら
 数えきれない鳩が輪になって
 時の繋がりが聴こえてくるような
 羽根を打つほどうつくしい游び

 壁にぶつかるんじゃないか
 そしてそのまま吸いこまれ ....
 ふんわりあかるい 丘をもちあげ
 かげにかくりと 谷をおる
 ひらひら帰りみち

 みどりのうらで こえをきく
 蜘蛛のこわさや あしたの雨の
 ひろがりについて

 夕陽がおちる
 ....
 ゆたかな木
 夏の雲みたいにわきおこる

 しずかに立っているようで
 たくさんの声をもつ

 ゆたかな木
 鳥たちの翼を夜からまもり

 どんな風も受けとめ
 星のひかりに運ば ....
 角の本屋さんの奥で万年筆を売っている
 仕事帰りの女がそっとのぞきこんだ
 くもりひとつない飾り棚は
 そんな町が好きだった

 ゆっくりと溶け始めるアスファルトが
 蟻や落ち葉を運んで ....
 いいにおいがするよ
 ひとがゆくところ

 いいにおいがいっぱいするよな
 かぜにさそわれ
 やさいがやさしくいためられ
 そっとおはしがならんで

 みずまきのてをやすめると
  ....
  十九



 土間のかおりが濃い風の中で
 今もまだ鏡を磨くその人は
 母方の大叔父だった
 茶摘みが好きな
 ハモニカの上手が
 無口な夏の
 終わらぬ波の狭間へ
 時の流 ....
 忘れ物 に なったハンカチ
 あわいもも色 うさぎを飼って
 駅の向こうから来る
 おんなの子を見て
 つれていって
 と、輪をかいた
 石のむれをしずめた 海と
 とおい空 かすれた ....
 花がゆれていた
 かすかな風があるらしい

 おあしす、という名の看板が
 空に吊り下げられ

 割れた白熱灯が取替えれない
 青粉を吹き
 町と山の境を馳せる群

 人をつれ去 ....
 落ち葉をひろって
 たったそれだけのことで
 一日が眠りつく
 つらい、けれど大切な別離があって
 急にころがる
 あなたの ひとつぶ
 それを どうか嘆かないで

 中心に感じて
 ....
夏 夕暮れて
逃げ水の空は
ひかりの端から
てのひらに現れる
なんてあざやかな文字盤を濡らす

鎖されて昏く
放たれて赫ぎ
ふりかえれば
くるりくるほそ長い螺旋
胸の人の絵姿にも見 ....
 真夜中に点灯した冷蔵庫の奥であらゆる向きに齧られたチー
 ズケーキが発見された\反射的にわたしもかじりつき\素早
 く体温を加え咀嚼を開始\ねっとりうっとり\うまれるチー
 ズケーキのかがやき ....
曲げた躰をハートの形に触れ合わせ
あおく短い空を翅ごとに掴む
 (静かに震えながら)
何を見ている
何を感じた
 (水と血が滲じむと)

小川に沿って気流が乱れ
深い茂みが盛り上がる度 ....
 積乱雲を想って
 紫の渦あじさい
 順呼気に澄む
 ふくらみ過ぎた花と緑は
 まるで巨大なくるみ型の舟
 或いは脳みそ 
 私はミソスープに伸ばした腕を
 食卓の
 小鉢に触れたいと ....
 撹拌された
 街の音や願いが
 クラシック風の音形をなぞる

 やわらかな丘の群で拾われる古代
 おしゃべりな小鳥
 衰弱しかないその聲に
 仮託された笑みは
 発点してしまえばいい ....
 窓に触れたグラス
 あたたかい湯気は
 あまいかおりにみちて
 ふるい指のあとだけ
 けぶれずいました

 扉の向こうはいつも雪
 雪がじまんの町だから
 子どもらはいつも元気で
 ....
はじめ 波に生まれた感情
つのり 膜をゆっくり震わせた
音は 太古の海を あたためるような
音楽となり いのちを紡ぐ

例えばそう
ひかがみ、おとがい 耳朶 耳穴
それら座標が 定めにく ....
 さくらが流れていると
 ぼんやり彼を感じてしまうのは
 何故だろう なんて
 共にして
 また横に
 不意に春のふくらみを介して

 濃いかすみが
 音をあたためる傍らで
 陶然と ....
鍵がない
財布もない
めがねはどこかな
ひたいの上だ
屋根がない
伴侶とはなに
価値観ということばに空まわり

焦ってなくしてばかりだよ
知らないものは伝えようがない
感じないもの ....
そらの珊瑚さんのsoft_machineさんおすすめリスト(26)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
隣りの海- soft_machine自由詩13*24-4-8
とける- soft_machine自由詩8*24-3-30
都市の空白- soft_machine自由詩7*24-3-26
A・Hへ- soft_machine自由詩6*24-3-24
ミツバチ- soft_machine自由詩10*24-3-23
はるびと- soft_machine自由詩11*24-3-9
あなたがするとき- soft_machine自由詩6*24-3-1
うみべのいのり- soft_machine自由詩11*24-2-10
翼あるもの- soft_machine自由詩12*23-9-30
ちょうちょ- soft_machine自由詩10*23-9-23
ゆたかな木- soft_machine自由詩15*23-9-19
哀しみを司るたとえ- soft_machine自由詩13*23-8-30
におい- soft_machine自由詩8*23-8-24
十九- soft_machine自由詩11*23-8-19
忘れ物になったハンカチ- soft_machine自由詩12*23-8-5
夏の日- soft_machine自由詩223-7-17
なみだ- soft_machine自由詩7*23-7-14
夏の雨- soft_machine自由詩423-7-13
チーズケーキとリルケ- soft_machine自由詩11*23-7-8
蜻蛉- soft_machine自由詩523-7-4
六月- soft_machine自由詩8*23-6-16
やわらかい丘- soft_machine自由詩423-6-10
白いだけで- soft_machine自由詩4*23-6-10
ひとつの音楽- soft_machine自由詩223-6-1
檸檬- soft_machine自由詩5*23-4-9
なくしもの- soft_machine自由詩222-1-31

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