すべてのおすすめ
どうしようかと
暮れている一日
些細な段差に躓いてみたり
心の縁を爪弾いてみたり
火の上で
ゆれるやかんに
お日様が降りていく
じゅっと
音を立てて
沈んで落ちていく
....
うちのとけいは
3ぷんすすんでいる
わたしは
なおしたほうが
いいとおもう
ほんとの
じかんが
わからないから
思ってみること
ここにいる僕等の存在を
君のその歩幅を
かたかた、と
時計の裏側で回る歯車の
噛み合うその一つ一つを
階段に登っている
繰り返している
繰り上げている
そ ....
ゆっくりと明るい雲がせり上がり
それ以外の雲は皆うつぶせになる
降り止んだ雨は灰色
降り止まぬ雨は金色
とどまらぬ色とどまらず
とどまらぬ音ふりそそぐ
小さいものが
....
街が夜を受け入れて
静かに眠りに付き始めたから
私も自分のねぐらへ帰ろう
輝く街をおきざりにして
夢をむさぼる闇をしりめに
ぬくぬくのねぐらへ
....
いつからか部屋は
水槽、で
ガラス越しに燃えている
赤、また、赤
近寄るとそれは窓で、
背伸びしたそのとき
窓枠は壊れ
緑色、流れて、
流れて、
緑色をのぞきこむもの
も、 ....
どんなに そっと
気配をとられないように
歩いても
足音がアチコチぴょんぽこ
飛んでいくんだ から
して
この角をまがると
その足音が
つぶてになって
あたるので あの木に
....
おとこなのだか
おんななんだか
おんななのだか
おとこなんだか
よくわからない
いまだけど
おおきくなると
ほとんど
おんなに
なってゆくけど
みんなと
いっしょ ....
わたしの好きなお月様は
すれ違い
先に明日にいってしまったので
わたしは一人で
ただひとつ星を眺めています
この夜がやさしくて
手を離すのが
いやで仕方 ....
なついろゆかたに あかいおび
ちかくで はなびが みたくって
はしっていくのは だれですか
きんぎょに ふうせん りんごあめ
あっちにいったり こっちにきたり
ごひゃくえ ....
真昼の空に白い月
青い空の白い月
それはみえないけれど
そこにある幸せ
青い水に浮かぶ氷片は
おだやかな夢の途中で
幻のようにはかなげで
見落としてたものは
何だったか
忘れていたものは
何だったか
それすら忘れて
今日もほのかに
そこにも ここにも
からまりあった いのち
てをのばせば
からだに ふれる
くさも きも
さかなも けものも
あなたも わたしも
ほとばしるものを
....
さよなら、のつぶやきは
はらはら おちる おちばに にていいる
ほんとうは のみこんだのは きせつだけじゃなくて
うつりゆく なつに ちょっとした せんぼうを おくる
わたしは くちも ....
バス停に立っている男の人を見て
フラミンゴだと思った
眼鏡をかけ
顔色は浅黒く
腹がぽこりとつき出ている
かつて、そんなフラミンゴを見たことがあるか
そうでなければ
自分がフラミ ....
母を見る
今日も
少し
年取ったようだ
年は
人から
何を取っていくんだろう
魂、みたいなもの?
何かが今日も
母から
少しずつ抜けてゆく
くちを とじて
めを とじて
みみを すまして
かんじる もの
うたたねのような
やわらかな
さいぼうとさいぼうを
すりぬけてゆくような
むげん
くちを ひらけば ....
いたい いたいと ながすなみだは
ちゃんと ぼくを うるおす ちからを もっている
ひたひた な かなしみに
じわじわ の ブルー
うるるん うるおして
じわり じわり
ぼくの ....
青いお空の下
足早な雲のように
彼女の中身は乱気流
夕立ちは近いだろうね
そして雨蛙は泣くよ
あぜ道の靴跡の下で
川の水にも映ってましたね
赤や緑の花が
空に咲いたんですよね
夜はすっかり一人前だったし
きみはしっかり素直だったし
星の雫が降ってきて
きみの手のひらの上で
こんぺいと ....
たましいに といかける
ほんのちょこっとした ぎもんを けずってみる
けずりきる ようすなんて みじんもない
いちばん このからだに かんじて
いちばん わかりやすい はずなのに
すこし ....
ぽつんと うかぶつき
くもが つきを おいこしてゆく
ふかいあいいろの じょうくうは あらし
いっしゅん さえぎる
ひかり
かげ
かげ
かげ
おいこしてゆく
....
はだしで たたん ステップ
ひびけば きょうが はじまる
おはよう おはよう
ことりのようにさえずって
あさのぐんしゅうにまぎれても
ひとり ひとり たどりつくばしょ ちがくて
....
見えない光のなか
両腕をひらくと
波打ち際に
捧げものが打ち寄せる
まわりつづける羽の窓
羽のかたちに燃える窓
光を赦す声を背に
風に濡れて立っている
捧げものを抱 ....
ハロー ジョゼ ハロー ジョゼ
背中の傷は 自分でつけた 爪の跡
ハロー ジョゼ ハロー ジョゼ
自意識過剰で 前髪を直しすぎるね
ハロー ジョゼ ....
魚が手紙のようなものをくわえたまま
道の真ん中で力尽きているのを
少年は見つけました
水を泳ぐ魚にとって
ポストはあまりに遠かったのでしょう
少年は手紙のようなものを
代わりに投函しました ....
なにかを知るはずもないのに
海はそこにいて
呼んでいる
なにかを知るはずもないので
海はいつもそこで
呼んでいる
誰を
誰を
誰か を
きみとはどこから
どんなふう ....
旅立ちの道は心地よく
熱を残していたのに
いま太陽の下の冷たさは
独りの歩みを空へとつなぐのか
願いに満ちた足跡が
雨のなか消えることなくつづき
標のようにまたたいて
....
ロックグラスの淵をふさぐ手の平
中身は空っぽに満たされて
そっと僕の息を閉じ込めた
3月 せっかちな不結合のチリは
町の中を撫で歩き
時折、見せてくれる隙間に ....
ゆびさきから ふきこむ
ふとくてい たすうしゃへの あい
もぐもぐ して
こころにやはらかな かぜ
ふきますように
きょうも オーブンの まえにたち
....
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