すべてのおすすめ
 泣けよ、サファイア、二番星。
 煌々と、夜が凍っている間。
 か細い音が、反射する。
 それが誰にも、届かなくても。

 泣けよ、サファイア、二番星。
 鳥の声が、切り開く夜明け。
 ....
ガラパゴス諸島に行かなくてはならない。
彼が生きている間に。


彼はきっと、清潔なゲージの中でキャベツを食べている。
その眼が私を映してくれる間に、私は彼に会いに行かねばならない。
聞か ....
サハラ砂漠に
たまごが一つ。
砂に埋もれて
蒸し焼きになる。

ガンジス川に
たまごが一つ。
僧侶の足に
踏まれて割れる。

冷蔵庫の中に
たまごが一つ。
中身は既に
くさっ ....
(笑)が便利なので、
この頃ひどく
多様している。

ダイエット中なの(笑)
掃除はしてるよ(笑)
彼氏が欲しいな(笑)

大体の言葉は
これでぼやけて
角が立たない。

あの ....
びょうびょうと犬が鳴くのでここいらはもう一帯冬である。
山も空も野も白いので、逆さになって落ちる童が後を絶たない。

びょうびょうと犬が鳴くのでここいらはもう一帯冬である。
雪の上に落ちた南天 ....
部屋の片隅で彼女が孤独を食んでいるとき
彼は地球に自転の方向について考えていた。
男はいつも遠くのほうばかり見ているし、
女はいつも手の届く範囲のことで忙しい。

部屋の片隅で彼女は孤独を食 ....
雨が降ると母譲りのくせ毛が四方に跳ねる。
母の巻き毛は天使のそれだが、
私のそれはケダモノの荒々しさだ。
高校のときの同級生は雨が降ると喜んで、
私の髪を触りにきた。
青毛の馬のたてがみに似 ....
失速していく雲を見ながら、
今日は失踪日和だな、と呟く。
プラスチックのストローの端を囓ると
孤独の味がした。

久し振りに読む小説の
栞の紐が色褪せた橙で
苛立たしいような
物寂しい ....
 夜、寝たくないので夜更かしをする。面白くもないテレビをつけたまま、渇いた笑い声を聞いて、インターネットで開くだけ開いて、ぼんやりとしている。日付が変わって、頭が痛くなってきたら、寝ることにしている。 ....  味噌汁や羊羹は暗がりの中で喰うのがいいと谷崎潤一郎が言っていたが、干し柿もそんな部類だろうと、邦春は思った。
 干し柿というのは、何しろ見目がよろしくない。
 硬く皺を寄せて、モノによっては白い ....
山人さんの亜樹さんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
泣けよ、サファイア- 亜樹自由詩116-3-30
ガラパゴス諸島に行かなくてはならない- 亜樹自由詩511-3-2
たまごが一つ- 亜樹自由詩1111-3-1
(笑)- 亜樹自由詩811-2-28
びょうびょうと犬が鳴くので- 亜樹自由詩411-1-9
明日はこない- 亜樹自由詩110-11-22
マスタングの鬣- 亜樹自由詩4*10-11-1
失踪日和- 亜樹自由詩210-10-29
割れない卵- 亜樹散文(批評 ...1010-4-19
干し柿の匂い- 亜樹散文(批評 ...310-1-15

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する