すべてのおすすめ
秋の山肌は
あかときいろにゆれている
思ったより悲しくないらしい
少し風だけが
さみしがりやで
いつのまにか心の中にまで
ふいていた
長袖の人と
半袖の人の同居で
季節のあい ....
コスモスが道をふさぐ
迷っている私をみすかすように
濡れたコスモスが
ふれて冷たい
いかなくちゃ
そうおもうときほど
いかなくてすむ方法を
想ったりする
大人になるって
迷わ ....
にわとりが先か
たまごが先か
目の前に
にわとりがいる
くふぇー くふぇーと
鳴いている
足踏み鳴らして
鳴いている
その存在感は
命の叫びは
あたしが先よ
とで ....
家族ってなんだろなあ
お茶碗を洗いながら考えた
薄暗い流しにむかって
人数分の食器を洗っていると
浮かんでくる想いがある
かちゃりかちゃり
ざーざー
こたえはないけど
欠け ....
私は
私を選んで生まれてきたのだろうか
もし そうなら
私は私でありたかったのだろう
そこまでして
選んだ私を
どうして私はすきになれないのか
もしかしたら
認めたくないからなのか
....
母の日がすぎて
枯れるしかないカーネーションが
花屋の奥に隠れている
ありがとう も
ないよ ね
今さら
なんでもない日に
ぼさっと訪れて叱られようか
母にとっての子供でいた ....
心がからっぽになった気がして
あわててひっくりかえしてみた
ぱらぱらこぼれた今日から
太陽の匂いがした
少しすくって空にぬった
明日が生えてきますようにと
おほしさまの間に
しず ....
風呂の中でよんだ
詩集がすべてを語ってしまったので
今日の私を
ごしごし洗い流しました
もういらない
風呂まで汚れてる
気がした 分身で
水がうまれ
水になったように
....
梅
梅の花
冬を割って一番乗り
梅
梅干し
丹精こめて辛口ひそめ
梅
梅酒
あなたを酔わせる
梅の古木
かたくてしなやか
梅の赤は決意の色のよう
梅が咲くころ
....
君に甘えて
しりとりをしかけてみます
こっくり居眠りしたり
ぼんやり どこかみつめたり
語尾つかまえて
ほおって うけて
空間って意外と
自由なんだね
電車のなかで
聴覚障害の君大声で語る
たどたどたどしいこえ
えがおまんかい
なにいってるんだろう
たのしそう
語られている子がうなづく
くすくすくす
ふたりでわらっている
電車のなか ....
嘘だよって
君がいう前の言葉は
心のかたちをしているね
私の想いを届けます
なんて
それも嘘
今日は少しあたたかい
ならべならべ
はみださぬように
きれいにならべ
くちずさみながら君が
ならべるパンを買う
それが夢
お茶漬けのあと
ふたつならんだおちゃわん
ころんだお箸をそっとまっすぐに置く
家猫だからさ
出られないって言ったら
弱虫だって笑うんだ
やせているくせに
そと猫だからさ
うちにいられないって言ったら
こわがりだって笑うんだ
なんにも知らないくせに
猫の見分けもつ ....
ポケットにいれた約束を
指でもてあそびながら
待つ電車はあなたへ続く
かなわなくていいから
なくならないままでいて
約束があるから
私さみしくないの
このホームで人がしんだって
だれか ....
なにかをかけば
なにかが変わるか
雪はふるふる窓のそと
さらりしゃりしゃり
きこえるような
窓をやさしくなでていく
いつかきえる
きえることなど思わぬ雪が
モジに熱を伝え
生かそうとするけど
モジはひとりでとんでゆくから
つかまえることなどできない
キミに愛を伝え
つながろうとするけど
キミはもう
そこにはいないんだ
次の瞬間次の ....
川をみると
カラダの中に川があるように思い
海をみると
以前に海にいたように思う
古い教科書のような山は
常にそこにあり
捨てようとしても捨てられない
どこからきて
どこへかえ ....
木々をゆすって風がないている
寒空の中 星は全力で輝き
比べるでなく
心のままに 惜しげもなくひかる
あしあと残しあるこ
昨日へ続く跡は
だれもたどりはしないけど
道しるべになるよに ....
去年からやってきた水で
シャワーをあびました
私の皮膚がはじいた水は
いったいいつへゆくのでしょうか
容赦なくすぎる日は
わたしたちのあらゆるものを
減らしていきます
私たちもまた
食 ....
私の耳から
ざらざらと言葉の死骸を取り出して
先に行ってしまった今日を追いかける
こんもりと墓標のような
私の頭は枕に乗って
言葉の海を漂うのだ
その静かな海には
君からの
がある
....
待つことは
かなりじょうずな方だと思う
だましだまし
夢転がしながら
とて とて 歩く
キノセイなんてつぶやきも
しないことにする
風が吹く
とて とて と
窓の曇りを指先で ....
母は私のものをみる癖があった
ハガキであれ手紙であれ
手帳であれそれは母が読んでいた
それなのに私はそのことになんら
警戒も注意もしなかった
今私がこうして
詩のような綴りを
だれで ....
トゲは深くて
抜けそうにないから
指で えいやって
押し込んでしまうの
あたしの奥へ
はいったトゲは
いつか命の元になるんです
傷つけ
傷ついて
でも案外ヒトって平気なんです ....
言葉はいつもいじわるだ
なにもかも明らかにして
正しくもない検証をして
並んでるだけで
なにもしやしないくせに
それをかいたのが
だれかなんてどうでもよくて
言葉はただ
言葉のまま ....
信じるって決めたから
そばにいるんじゃないよ
空気にすきも嫌いも
ないよただ風は風だよ
君もあたしも
ニンゲンって呼ばれてる
その責任が重いから
歩くのがこわいよ
足の下にある ....
夜ってきっと縦長
昼間干された空は
くるくるまるめられてる
夜ってきっと縦長
仔馬のたてがみみたい
しなやかだけど強いの
朝に潔く譲る
人はピンポイントに照らされ
ひとりひ ....
なんでそんな言い方すんねん
そんな人がいる
何食べたらそうなんねん腹ん中みたろかな
そんな人がいる
かわいそうやな
そんな人がいる
あんたが虫やったら間違いなく殺してるで
そやけどヒ ....
言葉の意味を知らないこどもは
オウム返しに使うという
切ない気持ちになったとき
切ない切ないと言い続ければ
あなたは手を添えてくれるだろうか
急ぎ足の大通り
向かう先はどこなのだろ ....
握りしめた手の中で
ならない鈴を想ってる
思い出せない音色なら
失くした方がいいと思う
行間の旅に飽きた頃
君のさよならがきこえたよ
秋風の音
カーテンで知る
さよなら ....
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