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あの日母が
私を見つめていた瞳が
なにを想っていたかが
ふいに想像できた
歪んだ方向しか
見ようとしなかったあの頃の私には
真意なんてどうでもよかった
気をつけていきや
そう言 ....
墓へ続く小道を
厳かな気持ちで進めば
先にいったひとたちの
足跡が静まる
あいだあいだに咲いてる
花は美しすぎて
手折ることはできない
みなの胸に刻まれる
永遠を夢みる
大木 ....
泣こうとしたら雨がふった
つんとした鼻で雨をみていた
灰色の空は私を受け入れているような
拒絶しているような
知らん顔のような
私と並行なままで
このままどこまでも
いけば知らない土 ....
夢みるキノコがはえていた
山の奥深くのじめじめ谷に
夢みるキノコはおかっぱで
ひざすりきれたジャージの娘
夢みるキノコは暗闇で
ラジオをきくのがすきでした
朝のぶさいく覚悟して
まく ....
心からこぼれでた糸の上を
綱渡りするように歩いています
悲しい時には右にふれ
うれしい時には左にふれる ゆれる
だれしももってる感情の
糸は夜風にゆれている
涙の分だけ重くなり
両の ....
知らぬ間に
今日と明日の境目の
白線を越えていた
部屋にメイプルの香り
焼きたてのパンを置いて
朝にこそふさわしいと
あなたは横向くけど
このままいればもう
朝なのですよ
....
橋の所に咲く花は
来る川の水を見ていたし
ゆく川の水も見てた
橋の所に咲く花は
泣く私も見ていたし
笑う私も見てた
秋の風は香りを運びますねと
語りかけても
ひとりたつだけ
....
雨の粒を追っている
あなたになりはしないかと
雨のレンズを通して
あなたをみてみたい
水にたまった
雨の粒たちは
違う世界なんてみせなくて
ただ小さな円をつくっている
雨の ....
あたし自慢じゃないけど
不幸そうな顔を
してしまうことの名人
影が濃くなる夜の
街灯はやなやつで
こっそり隠れていようと
するあたしを照らす
ホームにはふたつの人影
たぶん別れ ....
おかあさんだからって
人を愛せて当たり前なんて
人間は
人間を生むと優しくなれるの?
おとうさんだからって
人を愛せて当たり前なんて
人間は
人間を創造すると優しくなれるの?
....
面倒みるしかないよなって
言われたくって
ちょっとかわいこぶってた
髪いじってた
内心あきあき
秋だからってさ
さみしいせいにしてるだけ
ばかみたいだね
心細い夕焼け
ひとりみている ....
両手にゆさゆさ
梨の重みかかえて
丸でもない 尖ってもない
梨はごろごろ ごろごろ重い
くるくるむいて
白い実があらわれて
私の内側までむかれていった
梨はみずみずしい私の
血 ....
朝がくるたびに
こそこそするよ
生かされたことに
複雑だよ
懸命じゃないと
はずかしいから
隠れるように
後悔するよ
でも
よかったんだよ
君にあえるから
早く君に手紙をかこう
....
どちらでもいいのかしらん
そう思ったときに
結果って出るものらしいです
お知らせがくるらしいです
つけ は月末にくるのですけど
払う気がなくてもくるのです
おぼえとけっていわれたら
....
少女はこともなげに言う
おばあちゃんがいなくなったら
私がしてあげる
老女は静かに笑う
いてもいなくなっても
あんたがやってくれるか
受け継がれるとは空気のよう
暑いなり ....
自分だけが悲しいとおもう
自分が一番かわいそうとおもう
サクサクとかじるクッキー
いそいで補給しなければならないとおもう
だれかのこぶしを受ける覚悟を
ギリギリのところでする
同情 ....
私はもう
人間に生まれない
どんなに短い命であっても
どんなに簡単に滅びても
空を飛ぶ命に生まれたい
私は人間をやめたい
人間の今日を終えたら
一瞬のひかりになってもいい
ならなく ....
花に種類あり
花は花を選んで咲いたか
花はその場が小さな空き地であっても咲くだろう
踏まれてしまえば悲しいけど
また起きるのです
起き上がります
使命感なんかではありません
風がふい ....
普通になりたい
うつむいてあなたは言う
小さな小さな声で
普通ってなんだ
なんて問えるだろうか
障害がある
と告げられた彼女に
決めたのは
普通の側ではないのか
なにが
....
あまりにも暑かったので 今日
川の中に素足をつけてみたら
ごくごくと水を吸い上げたのでした
頭の先から水しぶき
どどうと飛ばせば
白い雲にかかって 雲飛んでった
気持ちいいなあ
....
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