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かるく、かるく、
つかれる羽は
かつて
どこかの空でした
あかるく、かるく、
つかれる羽は
かつて
どこかの水でした
まあるく、まるく
つかれる羽は
かつて
どこかの ....
遊覧船は雨もよう
縫い針さながら森はしずかで
昼間の月は紙片を降らせる
絵になれない陰はどこにもないから
わたしはひそかに呼吸する
水と油は
反発し合う
反発するから
互いが成り立つ
水と油は
こばみ合う
こばみ合いつつ
となり合う
水と油は
よごれ合う
よごれ合うから
澄み分けてゆく
....
星明かりの駅が
ひとつずつ滲んでゆく
瞳は
乾いてなどいない
まったく逆だ
夜から
いちばん遠いところが
すべてを飲み込み
夜を生むための
夜になる
そこに
ある ....
つき立てたスプーンは
さながら銀嶺
氷寒は、あまい
あまくて
ぬくい
だれかの失くした王冠と
つとめてしずかな
舌鼓
ありふれた脱ぎ捨て方で
癒しのすべが
....
おもいで、と呼ぶには
早すぎませんか
わたしの肩に
のしかかる時間を
不思議な重さに替えながら
にわかに雨は
零れはじめて
ゆるやかに、
空のとおさが
染みるのです
....